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#4 ボクを救ったのは [入院するまで]

僕は友達にたくさん救われたと思う。
別に自分はめちゃめちゃ友達が多いわけでもないし、なんならたくさん友達に迷惑をかけてきた。
でも、友達はたくさん救ってくれた。

↓前回の記事↓


音速の入院

まだ半分も検査が終わってない頃の自分は俺のがんは咽頭がんだと思っていた。だって喉になんかできとったし。
しかし生体検査の結果、悪性リンパ腫だと判明した。

「悪性リンパ腫ってなんだ?」

判明した直後の自分は悪性リンパ腫のことを知らなかった。だからその時の自分は 「ぽかーん」 とするしかなかった。
しかし母は隣で絶望していた。
A病院が紹介されてからのものの少し様子がおかしいような気がしていたがこの時はあからさまだった。悪性リンパ腫がなにか知らないがなんだかちょっと申し訳ない気持ちになった。

のちに悪性リンパ腫は”血液 ” のがんだと知らされた。
その瞬間ものすごい速度で頭の中のエンジンが回転した。

「血液ってことは全身じゃん」

「血液なら全身に転移とかしないかな」

「学祭で献血しなくてよかった」

無知なりに必死に考えた。エンジンフルパワーで考えて考えて考えて…
でもやっぱり無知なので考えてもわからなかった。

🤔😗🙄

その後は血液と細胞を専門としている科へ案内され、そこで診察を受けた。
今までは頭頸で診察を受けていたが、今度は科が変わったので担当してくれる先生もかわった。
新しく担当してくれた先生は白髪でなんだか強者感のある、ノリの良い先生だった(のちにわかったのだが、その先生は血液・細胞科の部門長の方だった)。
そこでまた自分の症状、なんでわかったか、どんな検査をしたかなどを事細かに説明し、これからどんなことをするか、どんな治療方針でいく予定か、精子凍結の話など、様々な説明を受けた。が、なんせ血液のがんと判明してショックを受けた直後だったのであんまピンとこなかったのが正直な話。

🤨😣😫

そこからは指示されたPET検査や骨髄検査や精子凍結など入院までに済まさなければならないことを学校を何日か休んで終わらせた。

🏠🏃‍♂️‍➡️🏥

次の診察のとき。
PET検査の結果を先生と一緒に見て、喉にだいたい心臓くらいの大きさの腫瘍ができていることを確認できた。自分が思ってた数倍でかかった。けっこうびっくりしたが、そんなことよりも昔からの癖で首が少し曲がっていることのが気になった。早く姿勢矯正したいなーとか考えながら、レントゲンで透かしたような自分の体をじっくり観察した。上から脳、喉にある腫瘍、心臓、腎臓、尿道、膀胱、そして睾丸。意外とはっきりと白くうつるもんだなーとか思っていた(睾丸は本来白くうつるはずがないと言われ、転移が疑われてめっちゃ焦ったことは有料記事で話そうと思います)。

家に帰ってからも見れるように先生に全身の写真をプリントしてもらって、これからの予定について話すことになった。先生、母、僕で日程を決める小さな会議を行った。
最終的には、入院前に行わなければいけないもの(検査、精子凍結)は終わってるし、僕のがんは月単位で進行するから入院を待つ必要はないと判断され、次の日入院することが決まった。

🏥🏃‍➡️🏠️

入院するということは、しばらく寮には帰れないことを意味する。
ということで、退寮するために荷物を寮から引き上げる必要があった。
病院から一旦家に帰って親父の車に乗り換え、寮に向かった。親父の車に乗るのは久しぶりで母の小さな軽自動車よりも圧倒的に乗り心地がよかった(気がした)。
自分が実家から寮に送ってもらっているときのことを思い出し、もうしばらく寮に戻れないことを考えるとなんだか泣きそうになった。それぐらい僕は寮も寮生のみんなも大好きだった。
泣きそうになりながら外の景色をぼーっと見ていたとき、寮の部屋の鍵を忘れたことを思い出した。

🏠️🥲🏫

寮につき、とりあえず部屋の荷物を車に積むことから始めた。幸い部屋には同室の先輩がいて鍵が空いていたのですぐ作業に取り掛かれた。
壁にかけていた衣類を片付け、衣装ケースを養生テープで固定。机の上や中を片付けて、小物入れを養生テープで固定。途中から寮にいる僕の家来×2(同級生)を連れて車へ荷物を積み込んだ。
そして寮内で会ったやつにはさよならを言って、寮を後にした。

どうやら図書館でテスト勉強してるやつらもいると聞いたので全身の写真(PET検査のやつ)を片手に図書館へ行き、みんなに白く光る睾丸を自慢した。そして僕が悪性リンパ腫であること、それは月単位で進行すること、明日から入院することを伝えて学校を後にした。

🏠️🚗🏫

もうしばらく寮の自分の王国のように思っていた部屋にも、おかずが少ないのに米はおかわり自由の寮食も友達にも会えないことを考えると、やっぱりつらかった。
でも唯一の心の救いは通話でも友達とつながることもできるし、元気になったら寮にも学校にも戻れるということ。
このことがあるおかげでがんばって闘病しようと思えるんだなと考えながら、家で寮の荷物の片づけをしながら、入院の準備をしていた。
                                                                                         
_______________________to be continued____

ほげおの戯言

ほかの方のnote拝見すると「ですます調」使わないほうがかっこいいなーと思ったので今回はですます調含めいろんなところ変えながら書いてみました。あと退院してからまだ一週間ぐらいしかたってないけど3キロ太りました。
先ほど文中に書いた通り、PET検査で睾丸が反応した話と精子凍結の話はスピンオフとして有料記事で書く予定なのでもしも読みたい方がいたら買っていただければ幸いです!

最後までご覧いただきありがとうございました!

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