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私が僧侶になるまで③コスプレ坊主編

本山を下りて、自坊にもどり僧侶としての生活が始まりました。

とはいえ、田舎の小さな山寺では住職と弟子がそれぞれにお給料をいただくことなんてできません。そもそも住職の給料すらままならない状態の寺ですから、帰ってきてもたまにある葬儀や法事、あとは日々の掃除ぐらいしか用はありませんでした。

父であり師匠でもある住職は教員をやっていました。祖父も教員であり、代々教育者であったこともあり、暇な私は自然と教員になる道へ進んでいきました。今思うとなぜ教員免許を取ろうと思ったのか

とにかく周りを見渡せば同級生は社会人としてバリバリ働いているし、私は、草抜きとたまに意味のわからない衣を着てお経を唱え、コスプレみたいなことやっているし、ここに意味はあるのかとどんどん気持ちは沈んでいきました。

運良く資格も取れ、教員採用試験も突破したものの、お金を稼ぐためになった教員、やる気もないしどうしようもない責任に押し潰されそうな毎日を送っていました。

坊さんってなんなんだろう。お経を読むことに意味はあるのか?
この仕事はただのコスプレ。
なぜかありがとうございますと言われるが、自信が持てないそんな毎日でした。


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