電子レンジのドアの取っ手をトミー・ジョン手術した件
カミさんからこんなリンクのLINEが来た。
仕事で撮影中だというのに、つまり電子レンジが壊れたのか?忙しいのでちょっと放置してたら「自力で何とかした」と。
そして、次はこんなURL(ヘルシオ)が。
つまり大破したのか。「今日はお店が開いてる時間に買って帰ることはできなそう」と返すと、「とりあえず工夫すれば扉はあけられるから大丈夫」と。
取っ手だけか。。。
6年ぐらい使ってるので買い替えてもいいけど、壊れた部分が取っ手だけというのが残念。
壊れた部品はこちら。
飛び出た部品がこちら。
カミさんによると、「バキッと音がしてばねが飛び出し、開かなくなった」と。
事実のみで良い報告だ。
そして、最初のリンクの解決策を探してトライしてみるも、また「バキッと音がして黒い部品が飛び出した」と。
「バキッと音がして~飛び出す」が定型文化しているぞ。
いずれにせよ、薄いカードを隙間に差し込んでストッパーのパーツを押し下げるという利用方法なら継続的に使えるらしい。
いやいや、熱いときどうすんのさ。冷めてから開けるのか?買い替えるか。
電源とか寸法とか熱を逃がすとか
いざ買い替えを検討し始めると、ご所望の製品は電圧的にこれまでの電源系統で利用するには無理がありそう。
そうすると、設置場所はどうにもならないので他から電源を取りまわさなくてはならなくて、分電盤を確認して、居間のコンセントか使ってないエアコンの電源からの配線を計画しなくてはならない。
モール処理だけでなく、壁を貫通する穴もあける必要がありそうだ。調べると「ホールソー」なる穴あけ用機械が必要なようだ。(電気ドリルはあるからパーツだけ買えばよさそう)
施工計画の素案を説明するも「修理しよう」というあっさりとした結論。
ABS樹脂は簡単にはくっつかない
割れた部品のうち、黒いほうはカバーを止める爪のひとつなので致命的ではない、無視しよう。
グレーの部品が問題だ。これが一体成型のハンドルパーツの裏側の一部だった。よく観察すると、ストッパーのパーツを押し下げるテコの機能と、自分自身に対する復元力としてばねをひっかける部分の2要素から成り立っている。
ま、とりあえず瞬間接着剤だ。
道具箱の底から発見されたそいつは全体的に固体化していた。ごみ箱に直行。
他の接着剤を探すも、木工用ボンドとこいつしか見つからない。
どれだけ謳い文句が豪華であろうとも、結果がすべてなのだよ。
力を発揮する強度まではまったく無理ぽい。これは瞬間接着剤であっても期待はできまい。
で、パーツ交換を考えて検索してみると、あるっちゃある。送料のほうが高いけど。
でもここまでくると、もう自力で修理したい。あと1時間で幼稚園児たちの撮影に行かなければならないけど、その前にできる範囲で。
トミー・ジョン手術を思いつく
ところで、改めて調べてみたら「トミー・ジョン」は手術を受けた投手の名前で、手術自体を考案したのはフランク・ジョーブという整形外科医だ。
詳しくはWikipediaを参照いただくとして、ざっくりいうと「損傷した腱を自家移植で修復する」手術。
この時、必ずしも元の腱の状態を復元するのではなく機能を回復するために別のつなぎ方をすることもあるのが、今回の修理のヒントに。
術後の様子はこんな感じ。
何しろ急いでいたので、雑い。
ドアストッパーを下げる部分をメインにステンレスの針金でつなぎ、そのあまりの部分をばねパーツのフックとして形成。
二度の調整を経て、機能としては90%回復。残りの10%はなんかちょっと引っ掛かる気がするだけ。ともかくこれでカミさんにはご納得いただいた。
なんだか最近、やたらと忙しくnoteの更新も滞りがち。
疲れた体をベッドにもぐりこませ、デイリーポータルZを読みふけっているといつも目にするレンズたちの広告に混じって、電子レンジのドアの取っ手が。
夢に出てきそうだからやめてくれないかな、こういう広告技術。。。