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発達障害を持つ子の性教育を考える

『性教育』というと、大人の誰もが逃げ腰になってしまう事柄です。本来であれば親から子へ正しい知識を伝えるべきですし、他人任せにするのは今後性に関することを親に相談しにくい状況を作ってしまうと考えられるので、家庭内の問題として親が子供にしっかりと話をすべきことであると私は思っています。

欧米では親とフランクに性に関して話が出来たり、性教育が進んでいる事で有名なスウェーデンでは5歳から『特別な事ではなく、おもちゃの話と同じ』という考えで性教育性教育に取り組むのだそうです。
詳細は以下のリンクでお読みください。

https://research-online.jp/economy/271/
【出典:Reserch Online スウェーデンでは性教育を5歳から学ぶ!?その深い理由を解説(2020.08.20掲載)】

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日本ではなぜ性教育が進まないのでしょうか。それは昔から根付いている文化の違いにあると思います。

欧米は挨拶自体相手の性別を問わず頬を合わせたり、体全体で触れ合うハグであったり、また服装の文化として露出度が高かったり(これは日本でも最近は欧米化しつつあるようですが…目のやり場に困りますね…)するのに比べ、日本はビジネス上では握手は当たり前(コロナ禍以前の話です)のようになってきましたが、海外の方が日本人のマネをする時に、相手と距離を置いてペコペコ頭を下げて挨拶をするように、文化としては一歩引いてお辞儀をするのが日本式の伝統的な挨拶であるのです。

このように、昔から相手との距離感の保ち方自体が欧米と日本で絶対的に違っているのです。1日に何度もする挨拶から距離感の保ち方が違うのですから、他人との距離感を詰めたり、触れ合う事について特別視してしまうこともありますし、「してはいけない事」だと思うと、余計に興味を持ってしまいます。しかし、人間以外の動物は、誰に教わるわけでもなく生殖方法を知っています。子孫繁栄は本能でもありますから悪い事ではありません。人間絶滅にしないためにはむしろ必要なことなのですが、人間としてバランスをとるべき本能と理性のバランスや感情のコントロールに邪魔をされ、余計にその部分にフォーカスしてしまうのでしょう。情報過多でもありますし。

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さて、文化という大枠の話から、本題に入ります。

あまり異性を意識しない年齢は小学校低学年位まででしょうか。
女の子はスカートをはいて、やんちゃに動き回ります。座りましょうと言われれば、スカートの裾も気にせずに椅子や床に座ります。同年代の男の子であれば「あの子パンツみえてるよ」と口に出して言うくらいで、そこまで性的意識はまだないのですが、大人の男性の目線も気にしなければならないご時世になりました。同年代の男の子にはパンツが見えて良いということではないのですが、多くなった性犯罪から子供を守るには、そういう小さなことから気を付けさせなければならないのです。女の子のみならず、それは男の子にも言えることで、女の子への性教育とは少々内容は異なりますが、男の子だから平気という事はありません。

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「座る時は足は閉じなさい」

こういえば「あ~恥ずかしいんだな」「男の子(女の子)に見られてるんだな」と理解できれば良いのですが、なかなか理解が難しい子にはどのように教えたら良いのでしょうか。結論から言いますと、

「毎回繰り返し伝えていくしかない。」

だと思います。忘れないように、繰り返し繰り返し、です。

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「話しにくいし、先生お願いします。」
そうおっしゃる保護者様がいらっしゃいます。

はい、それは簡単です。
性についてお子さんに話すことは恥ずかしい事ではないですし、わかりやすく説明することもできます。

ただ、本当にそれで良いのでしょうか。
最初に申しましたが、「他人任せにしてしまうと、今後、性に関することを親に相談しにくい状況を作ってしまう」と私は非常に強く思います。

男女の体の違いをはじめ、性に関することを親が一番最初にしっかり話してくれたとすれば、それについて「それはお母さんに聞いてみよう」「お父さんに相談してみよう」と考えやすくなるのではないでしょうか。
親に言えない事や言いにくい事は成長と共に増えて、友達には相談できる状況が多くなるものですが、子供間の情報は正しくないこともあります。

もちろん、親の話に耳を傾けてくれる関係性であることは必須です。

子育ては点が点として存在しているのではなく、点がつながって線になるものです。それだけやろうとしてできるものではないですから、普段からお子様のとの関係性は良好に保つことがとても重要です。

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お子様に接していると、お子様の性格や状況から性犯罪に巻き込まれたり、性犯罪を起こしてしまうのではないかと心配になることがあります。
例えば、年齢の割に体の成長が早いために、異性に対する意識が低く、行動に隙がみられたり、良くない事とわかっていても自分とは違い異性の体に興味によって気持ちのコントロールがきかずに触ってしまったり。

スカートの裾がはだけている子には「恥ずかしいよ。男の子に見られちゃうよ。」
他の子の体に触れたがる子には、コロナ禍のことやパーソナルスペース(これ以上近づかれたら嫌な気持ちがするプライベートな距離)についての話をしつつ「いいよ、と言われた時だけ触っていいんだよ。いいよと言われない時に触ったら相手に嫌われちゃったり、警察に捕まってしまうこともあるよ。」

とはお伝えしています。ただ、これは毎日繰り返し伝えていく必要があります。

日ごろよりお子様との関係を良好に保ち、性に関して話せる関係を構築することは、本当に重要なことです。

学校や通所先の先生も、協力はしてくれます。でも保護者様主体で進めるべきです。先生は、ずっと付き添うことはできませんから。ですから、勝手に先生が張り切って性教育をするのも間違いだと思っています。何度も申しますが、ご家庭主体でおこなうべきことだからです。

誰も性犯罪の加害者にも被害者にもさせないために、逃げずに向き合っていきましょう。








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