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全ては自立の時のために

~療育する方も大変なんです~


お子さまを心配する保護者様。そして療育を受けるお子様。
支援する側は保護者様のご心配・お悩みをしっかりうかがい、お子様の特性を見極めて支援方針を決めていきます。

『うちの子は●●ができないんです!』と涙ながらに訴える保護者様のお気持ちを汲み取り、現状を把握するために体験指導などしてみますと、保護者様がおっしゃっているほどの苦手さではないことがあります。

また逆に、『そこまで心配はしていないのですが学校から言われたので』とあまりご心配事がないような事をおっしゃっていても、実際に支援をしてみると、お子様の苦手や辛さに気づいてないなぁと思うこともあります。

このように保護者様の見解と支援する側の見解に相違があることも多く、プロの見立てをどのように保護者様にお伝えしたらよいだろうかと悩むこともしばしば。

角が立たない言葉で遠回しにお伝えしてもなかなか伝わらず、何度か言い方を変えてお伝えしてもダメで…結局核心をお伝えできないまま、療育がずるずると始まってしまいます。

なぜ核心をズバリと言わないのか。
お子様の苦手をわかっていても信じたくないと思っている保護者様や、遅れはわかっているから支援を受けようとしているけれど、お子様の特性に深く興味がなく、とりあえず通わせればいいんでしょ?と非協力的なご家庭もあり、「お子様のためにとにかく療育を受けて欲しい」「現状を理解して(受け入れて)欲しい」と考えて、まずは保護者様との有効な関係構築をしないといけないので、言葉選びには慎重になってしまうのです。

もちろんご理解してくださるご家庭にはうまくお伝えしています。

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実際の支援についてですが、
こだわりの強さの軽減やソーシャルスキル(社会性…人との関り方)を学ぶためには、好きな事ばかりをしていても学びになりません。時には嫌がるとわかっていることをわざとやって仕掛けたりして、「やめて」と言葉で言うことを教えたり、苦手なものに挑戦させて、嫌でも1回はやってみることから、やってみたら案外面白かったなど興味の幅を広げて行ったりします。

もちろん、苦手な事に挑戦させることは、支援する側としては心苦しいものです。「いやだ!!絶対にやらない!!!」と頑なに拒んだり号泣して全身で拒んだりすることもあり、時間をかけて説得したり譲歩して少しでもできる部分を探したりして、何とか少しでも取り組めるよう工夫をしていきます。子供が好きで就いた仕事ですから、嫌がる顔や泣き顔をみれば、胸が締め付けられて心が折れそうになることもありますし、「バカ!」「死ね!」と罵声を浴びせられたり、叩かれたり蹴られたりすれば、そういう部分を改善するために通ってきているとわかっていても、私達も人間ですから嫌な気持ちがしたりするのは隠しようがない事実です。

ただ、そのような感情は一時です。
支援をする1秒1秒の積み重ねが自立の時のためのスキルとなるのですから、私たちは根気強く支援を続けます。全てはその時のために。

以前に療育疲れについての記事を掲載しましたが、やりすぎは何でもよくありません。緩急つけて「継続すること」が大切です。

そこで保護者様にお願いです。

支援員を信じてください。
アドバイスに耳を傾けてください。
療育を休まないでください。

療育は支援する側とご家庭の二人三脚です。どちらが遅れても進んでいきません。わからない事やご不安があれば、先生に相談してください。


全ては、自立の時のために。




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