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【非行少年】はなぜ増えてきたのか考察してみました!

  不登校や不就学など学校に行かない子どもの問題の他にも、いじめ、校内暴力、学力低下、少年非行など、新聞やテレビのニュースでは、子どもや青少年、学校教育をめぐってさまざまな問題が報じられています。

また、最近では子どものスマホやネットをめぐる問題がひんぱんに報道されるようになりました。

子ども・青少年や学校をめぐる諸問題を【教育問題】ということがあります。
より正確に言えば、教育的に問題だとされた問題が教育問題として扱われます。

教育問題の社会学とは、さまざまなメディアを通じて報じられている【教育問題】が、その社会のあり様とどのように関連しているのかをこの記事で解明したいと思います。

 ここで取り上げるのは【少年非行】です。
青少年の健全育成の立場から、未成年の非行問題は戦後しばしば注目され憂慮されてきました。


この非行問題を取り上げ、社会学が教育問題とそれを取り巻く社会との関連についてどのように捉えているかを考察していきます。


  非行問題の実態解明や要因の分析に向かおうとする研究では、メディアなどで報じられた問題の実態をさらな詳細に明らかにするとともに、どのような社会的要因がその問題の発生や増減に影響しているのかに関心を持ちます。

これに対して構築主義的な研究は、子どもや青少年のある種のふるまいや行動を「ゆゆしき問題だ」とする見方そのものがどのようにして社会的に作られた(構築された)のかに関心を持ちます(社会的バイアスとも言い換えれます)。

  このことを少年非行について考えてみたいと思います。
たとえば、刑法犯で検挙された少年(触法少年の補導人員を含む)の人数や人口比は時代により大きく増減しています。

いろいろな資料を見てみると、第二次世界大戦後しばらくして昭和26年に第1のピークがあり、
1960年代半ばに第2のピークがあったことがわかりました。


1980年代初頭には第3のピークが見られました。人口比でみると、2000年代初頭も相対的に多かったことがわかりました。

問題の実態究明や要因分析に関心をもつ研究は、
この変化を解明するとともに、各時代に特徴的な社会的要因と関連づけてその変化を説明しようとしてきました。


少年非行の第2のピークにあった1964年に、教育の専門家の方が発表した「少年非行のメカニズム」という論文には、こうした研究関心が端的に示されています。

論文のなかのデータでは、外部社会の近代化・都市化、社会体制、制度のあり方などが土台となり、
その中で各種の要因が非行をめぐる加害者と被害者の関係に影響を与えているとの見方が示されています。

 これに対して構築主義的な研究は、少年非行がどのようなことばで、どのように表現されているのかに関心を持ちます。

たとえば、少年非行が凶悪化しているという指摘がしばしば見られます。
このことを受けて最近ではしゃあねんほうが改正され、
警察官の調査権限の拡大強化や少年院送致年齢の引き下げがなされています。


とある専門家は、非行に関する統計をふまえながら凶悪化という言説がいかに社会的に作られたものであるかを分析しました。


専門家によれば、凶悪化のイメージは、警察の取り締まりが強化されたり、多くの統計事項の中で特定のカテゴリーの数字が強調されたりするなどして作られたものであるというのです。

ただし、非行の報告や報道が実態をそのまま表したものではないことについては、構築主義(社会的バイアス)が登場する以前からたびたび指摘されてきました。


とりわけ非行統計の数値が警察活動の活発度で大きく左右されることは、以前から指摘がありました。

近年の少年非行が激増化した1つの理由は、
平成以降になって少年非行関係の法律や社会制度や社会機関が充実されて、それまで【暗数】であった非行の発見される機会が多くなったことにあるとわたしは考えます。

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