学校における男子をめぐる問題
教育現場において「男子問題」に関心が向けられるようになったのは、ごく最近のことだ。少なくとも1990年代半ばまでは、「ジェンダー問題」といえばほぼ「女子問題」であると見なされてきた。そのもっとも大きな理由は、男子よりも女子の方が教育上不利を被っているという見方が大きかったことである。日本における進学率の男女差は、高校レペルでは1970年代に、大学・短大では1980年代に解消したが、男子では高校進学者のほとんどが大学に進学するのに対して女子では半分以上が短大に進学するという傾向