【ブラインドの隙間から】#1 全盲の人はどうやって道を覚えているの?
【毎週火曜 18時頃配信】
株式会社方角に所属する全盲のナベさんとカタヤマが毎週ゆるく対談して、目の見え方に関係なく皆さんと交流する場所、それが「ブラインドの隙間から」。
・全盲の人はどんな生活をしているの?
・視覚障害ってどういう状態?
・目を頼りにせずどうやって移動してるの?
そんな話を、カジュアルに質問していくラジオです。
株式会社方角はノーコードツールを使用してアクセシビリティに対応したWEBサイトを制作しています。
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以下が文字起こしです。
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カタヤマ:第1回「ブラインドの隙間から」始まりました。よろしくお願いします。緊張してますか?
ナベさん:ハイ。緊張してますよ
カタヤマ:さっきとさ、喋り方全然違うんですよ。緊張してますよとかいって
カタヤマ:はい。このラジオはですね、私、カタヤマというんですけど、カタヤマがですね、あの、今隣にいるナベさんにですね、視覚障害のことについてちょっといろいろ聞いていくと、そういったラジオなんですけど、私自身、ちょっと視覚障害のことってあんまりよく知らなくて、ナベさんはね、ちょっと後で自己紹介で話してもらいますけど、視覚障害の当事者なんですね。で、この方にちょっといろいろ突っ込んだ質問なんかもいろいろしていくという、そういうラジオでやっていこうかなと思うんで、今日はね。初回なんで自己紹介をまずやりたいなと思います。じゃ、どうします?まず先にやります?
ナベさん:はい、ではこんにちは。皆さんよろしくお願いいたします。私はですね、視力が両方とも0ですね。どういう状態かと申しますと、そうですね、目に手拭いを被ったような状態ですね。日頃はですね、触覚と音を頼りに生活しておりますね。そんなところでしょうか。最初は。
カタヤマ:お名前は
ナベさん:渡邊と申しますね。よろしくお願いいたします。
カタヤマ:このラジオではナベさんと呼ぼうかと思います。はい。私はカタヤマと申します。私はですね、株式会社方角という会社の代表をやっております。株式会社方角はですね、今までその聴覚障害を中心とした障害に関する様々なプロジェクト、企画とか、デザインとか広報とかのお仕事をさせていただいたりとかしておりました。ナベさんが今年の5月に入社してきてくれて、それまで聴覚障害のことはだんだんこう、まだまだだけど、こうわかってきた部分がちょっとずつ出てきたんだけど、視覚障害に関してやっぱり知らないことは本当に多いんですよ。感覚として全然わかんなかったりするところもあったりするんで、このラジオを通しながらいろいろ話を聞いていきたいなと思っているんですが、結構カジュアルな質問もしちゃいたいなっていうふうに思っていて。 例えばさ、こう。普段のやっぱね、ナベさんみたいな人と話すことってあんまないじゃないですか。だからね、いろいろね、聞きたいことはたくさんあるんですよ。ナベさんはこう、視覚障害じゃない人とお話しすることって結構あります?
ナベさん:結構ありますね。
カタヤマ:リアクション的にどういう感じなんですか?驚かれるとか、
ナベさん:いや、驚いてらっしゃるのかもしれませんけど、私が気付かないだけかもしれませんけど、結構普通だと思いますよ。
カタヤマ:そうなんだそうか、そうなんだ。じゃあ私も別に何かすごく驚くってわけじゃなかったけど、こう、どうやって接したらいいかってのはちょっと分かんないかも。イメージがつきづらいんですよね、こう、視覚障害の世界って。じゃあちょっと今から話しますけど、ナベさんは今、株式会社方角のオフィスに来てるじゃないですか。ここまでどうやって来たんですか。
ナベさん:まず自宅から(ピー)という駅までは徒歩で参りました。
カタヤマ:いいの?それ言って大丈夫?駅言ったらダメじゃないですか?
ナベさん:そうですか。自宅から最寄り駅まで徒歩で参りまして、最寄駅から方角の最寄り駅までは私鉄を使って参りまして、そして方角の最寄り駅で代表と待ち合わせをいたしました。
カタヤマ:さっきの駅のとこ、ピー入れとくんで。
ナベさん:そうですね。
カタヤマ:自宅からその駅まで徒歩?
ナベさん:徒歩です。
カタヤマ:白杖を持ちながら?
ナベさん:はい、そうです。
カタヤマ:自宅から駅までだったら、別にそんなに難なく行ける感じですか?、
ナベさん:はい、行けますね。
カタヤマ:慣れるまで。でもやっぱ大変です?
ナベさん:そうですね、20回ぐらい往復すれば何とかなると思います。
カタヤマ:その自宅から駅までの20回ぐらい往復するのも、一人だとなかなか大変じゃないですか?誰かに付いてきてもらうんですか?
ナベさん:初回は知り合いに頼んで教えていただきました。
カタヤマ:知り合いなんだ。そういう専門の人とかじゃなく、
ナベさん:専門じゃないですね。
カタヤマ:二往復目以降は自分で?
ナベさん:自分で探しながら何とか辿り着きました。
カタヤマ:めっちゃ大変じゃないですかそれ、今の家住んで大体何年ぐらいですかですね、
ナベさん:13年と8か月ですね。
カタヤマ:じゃあまあ結構長いから、引っ越したタイミングでは結構大変だったわけですね。
ナベさん:まあそうですね、はい
カタヤマ:それでその駅に着いて、そっから電車に乗るじゃないですか。何回か乗り換えもしてますよね。
ナベさん:乗り換えは一回だけです。
カタヤマ:一回だけ。そうなんだ、その乗り換えも結構大変じゃないですか。慣れた駅なので、
ナベさん:慣れた駅なので、ほとんど地図が頭に入っておりますから大丈夫です。
カタヤマ:乗り換える駅がそもそも何か頭に入ってると、あ、そうなんだ。その中で地図が頭に入ってるとかは全然分かんなくて。っていうのも、だって生まれながらの全盲なわけじゃないですか ナベさん:そうですね。
カタヤマ:その写真とかのイメージがないわけじゃないですか?
ナベさん:ないですね
カタヤマ:だからその地図が頭に入ってる状態っていうのがもう全然分からなくて。その、、、どういうこと?歩いてる感覚とか。
ナベさん:そうですね。例えば座標の原点が中心で、X軸が東西でY軸が南北という感じですね。
カタヤマ:それをね、我々はね。イメージで想像しちゃうんですよね。イメージがない状態でそれを把握するってのが全然理解できなくて、この理解が追い付かない感じ。
ナベさん:それは、、そうですね。教科書でイメージしてますけど、もうその教科書の座標を参考にして、自分を中心にして、右が東、左が西、前が北、後ろが南とか、そういう感じで。
カタヤマ:私めっちゃ地図苦手なんですけど、ナベさんの方が地図めっちゃ得意だと思って、この方向に行ったらとかっていうのは多分わかるんでしょうね。
ナベさん:そうですね。
カタヤマ:じゃあ例えばこの今北にいるのか南にいるのか、北を向いてるのか、南を向いてるのかとかっていうのはわかるんですか?
ナベさん:わかる時もありますね。
カタヤマ:すごい、今分かる?
ナベさん:今わかんないです。
カタヤマ:いまはわかんない、そうなんだ、歩いている時とかは分かります?
ナベさん:太陽の状況によって分かりますね。
カタヤマ:なるほどね。そういうことなんだ。太陽の光がここから来てるな、みたいので分かる?
ナベさん:そうです。右から来れば自分の右が東で、例えば昼間だったら、例えば太陽の南から当たってるから、太陽の方向けば南なんだなと。午後になったら西なんだなっていう。
カタヤマ:で、じゃあそれってでも視力ゼロなわけじゃないですか?光とかもあんま分かんないわけですか?。
ナベさん:そうですね、
カタヤマ:それは皮膚の感覚とか。
ナベさん:はい、そうです。
カタヤマ:すげーそうなんだ。ちょっと皮膚が焼けてるな~みたいな感じとか。
ナベさん:そうですね。
カタヤマ:我々にとってはすごく繊細な感覚なんだけど、ナベさんにとってはめちゃくちゃそれが重要な指標なんだな。なるほどな。じゃあ例えば人がこの隣にいるとかっていうのも、こう肌感覚でわかったりするんですか?
ナベさん:分かります
カタヤマ:へぇそうなんだ。じゃあ私今隣にいるのわかりますか?
ナベさん:分かりますよ。
カタヤマ:これは分かるんだ。大体どのくらいの距離でいるとかって分かるんですか?
ナベさん:1メートルぐらいだったら、半径1メートルぐらいだったら分かります。
カタヤマ:今ね、大体50センチぐらい?私は今50センチぐらいのとこにいますけど、多分1メートルぐらいのとこにいたら、多分こう声の感覚が分かるでしょうね。なるほどね。今太陽の光って言ってましたけど、太陽の光以外も光って分かるんですか?例えば蛍光灯で。こっちに蛍光灯があるから、あっちとかこっちとか言うとわかんないね。右が、、東側に蛍光灯があるから、東側に部屋があるなとか?
ナベさん:いや、初めてのところでは、分からないですね。
カタヤマ:何回も来るとわかるんですか?
ナベさん:そうですね。
カタヤマ:それ、なんでなんだろう。その環境に慣れるとか、
ナベさん:多分そうだと思いますね。
カタヤマ:そうなんだ。
カタヤマ:それって盲学校とかで習うんですか?
ナベさん:いや、もう忘れましたね。
カタヤマ:別に習わずとも、自分で分かったんですね いや面白いな。そうか。じゃあ、夜はちょっと怖いですね。
ナベさん:いやそうでもないですよ。
カタヤマ:夜は何を指標に歩いてるんですか?
ナベさん:経験と感覚です。
カタヤマ:いやもう分かんないわ!それをおしえて!それはどういう経験?経験の感覚でも 光とかじゃないわけですよね。
ナベさん:光ではないですね。例えば23時半頃にセブンイレブンに行きたいなと思ったら。普通に出て行って、普通に歩いて、どこにどの柱があるとか、どこに郵便局のポストがあるとか、そういうの記憶してますから。
カタヤマ:あ、周辺のね、家の近くとかだったら分かるわけですね。 なるほどね。じゃあ初めて行くところの夜はやっぱちょっと怖い。
ナベさん:そうですね、手探りですね。で、1軒1軒、ここはどこですか?っていうのを
カタヤマ:聞いたりするんだ!
ナベさん:そういう時もありますね。
カタヤマ:なるほど。そういうのは例えば分かんないけど、グーグルマップとかでここはどこですとか言ってくれたりとか、するといいけど
ナベさん:そうですね。使いこなせる人はそれでもいいんですけど、
カタヤマ:若い人とかは割とそういう風に使ったりしてるのかな?
ナベさん:使ったりしてると思いますね。
カタヤマ:そうなんだ、若い人にも聞いてみたいですね。
ナベさん:お聞きの皆さん、ぜひ若い障害者の方、視覚障害者の方、ぜひメール下さい。
カタヤマ:ぜひメールください。ぜひお願いします。そんなところでもうあっという間にね。今日の時間は終わりに近づいております。しかしもうはですね、こうやったナベさんが今、参加してくれてますけれども、株式会社方角はWEBサイト制作してまして、制作したWEBは必ずナベさんが目を通して、、、目を通してと言っていいんですか?
ナベさん:そうですね、
カタヤマ:目を通してアクセシビリティーに配慮したWEBサイトを作っております。
カタヤマ:お聞きの皆さんね、ご興味のある方はぜひお問い合わせからご連絡いただけると幸いです。メールアドレスね。ちょっと読み上げた方がいいかもしんない。じゃあ私がメールアドレスを読み上げますね。info@hogaku.co.jpです。はい。そんな形で今日は終わりにしたいと思います。じゃあ2回目以降もね。頑張っていきましょう。
カタヤマ:大丈夫ですか?緊張しました?
ナベさん:しましたね。
カタヤマ:全然さっき喋ってたのに、リハーサルの時から比べると全然しゃべってないから、もっとね、渡辺さんの話聞きたいです笑
カタヤマ:第2回目以降もぜひ頑張りましょう。ありがとうございました
ナベさん:また来週。
カタヤマ:「ブラインドの隙間から」カタヤマとナベさんでした。ありがとうございました。
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