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『私』
3ヶ月か2ヶ月くらい前のこと。
忘れたくても忘れられないことを引きずりながら過ごしていた。
とどめておいても仕方ないと、忘れようとして、思い出の品を全て捨てた。
すっきりしたけど、記憶だけは捨てられなかった。
ずるずると、記憶を残したまま無為に過ごした。
徐々に、その記憶は、私にとっては大切な思い出になっていたのだと思った。
思い出の品は捨てたのに、鮮明に、あの時のことを思い出す。
教えてもらった曲を聴くたびに、消化も昇華もできない気持ちをどうすればいいのかわからなかった。
寝れない夜に、何度も何度も、悩んだ。
忘れたくて忘れたくて仕方ないのに、どうしても忘れられない。
そんな中で、Mrs.GREEN APPLEの『私』を知り、あいも変わらず寝れない夜、曲を聞いてみた。
曲調も歌詞も素敵だなと思った。
『もう届かない、戻れない』
ーもう、多分、会えないし、話さない。あの時には戻れない。
『あの時私は、貴方のことが好きでした』
ー多分そうだったのかもしれない。自覚したのが遅かった。
『でも忘れずに留めておこう、いつの日も「変わらずに居よう」』
ーこのまま、変わらずに、私は、居られる?
聞きながら、泣いた。
人目もないから、ひとりで、部屋でボロボロと泣いた。
いろいろなことを思い出して、抱えた思いを捨てようと頑張っていたことを悟って、この記憶は捨てたくないのだと、認識した。
自分の気持ちを認識したのも、理解したのも遅かった。遅すぎた。
鈍感にも程があるなと思った。
鈍いやらなんやら言われ続けてきたから仕方ない。
捨ててしまったものたちは戻ってこない。
なんであの時捨ててしまったのかと後悔した。
手放そうと、無理やり頑張っていたこともわかった。
らしくもなく、とても無理をしていたこともわかった。
全部やめた。
捨てるのも、考えないように頑張るのもやめた。
忘れようとするのもやめた。
上書きしようと頑張っていたけれど、それもやめた。
上書きできる段階までまだきていなかった。
『会えるとわかっているのなら、後悔するようなことをするんじゃない』と別件で、ちょうど知り合いに言われたばかりだった。
悩んだ。
悩んで、悩んで、もう少しだけ、記憶を残せるように頑張ろうと思った。
たくさん後悔をしているし、今もしている。
なんで?と問い続けている。
この選択肢があっているのかもわからないけど、大切な思い出は心にしまっておきたいから、忘れたくないから、大事にしまえるように悪あがきをした。
思い出は、ずっと、うっすらと心の中にあった。
でも、これが、今後の私にどう影響するかなんてわからないし、どうなるかもわからない。
『これから私は 明日も私は
確かに此処で息をしている
私は私を生きていく』
ー私は、私を、今を、生きるしかない。
他人に何か言われるたびに、心の中では何度も思っていた。『あなたが言う選択肢を私が取ったとして、何かが起きた時に、貴方は責任をとってくれるの?責任をとってくれないのに、あなたは、私の考えを否定して、別の道を生きろと言うの?』と。
責任を取るのは自分だし、その選択肢をとった後の人生を生きるのは私しかいない。
私は私を生きるしかない。
だから、私は、私を生きる。
きっと、後悔して、やめておけばよかったと思うだろう。
でも、今、この選択を取らなかったことに、未来の私はきっと後悔する。だから、いい大人になってしまったけれど、だからこそ最後の『あーあ、あの時の私、選択肢をミスってたな』をやってみようと思う。
もう、多分、二度こう思うことはないのだろうから。
『私は確かに此処で生きている』
今を、此処で、生きてみようと思う。
思い出を思い出として残すには、人間の記憶容量はあまりにも少ない。
他の大切な思い出が増えるまでは、此処に残しておきたい。
残させて欲しい。