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忘れもの
大丈夫じゃなくても、『大丈夫です』と言う癖がついたのはいつからだろう。
昔々、何を言われても『すみませんでした』としか返してはいけない時期があった。
掃除が下手ですみません、当番を忘れてすみません、機嫌を損ねてすみません、人並みにできなくてすみません。
今考えるとどうでもいいことでいつも謝っていた。
そこら辺から、『大丈夫です』『なんとかします』と返すようになった。
そう言っておけば、その場が丸く治ると学んだから。
今になって、そんなその場凌ぎなことを言う癖を身につけてしまったことをとても後悔している。
本当は今はちょっと手が離せないのに『大丈夫です』
1人では難しいのに『大丈夫です』
困っているのに『なんとかします』
この癖がいけないと、最近やっと理解して、周囲にヘルプを出すように気をつけてはいるけれど、なかなか直らない。
周りに迷惑をかける前にヘルプを出せるようになったからいいのだけれど、さすがによろしくない、大変悪い癖だと思うようになった。
今まで、色々なことを諦めて、我慢して、感情よりも現実と状況を優先させていたら、面倒でつまらない大人になってしまった。
優柔不断で、周りに流されて、断れなくて、『大丈夫、大丈夫』と無意味に繰り返してしまう。
日に日に感情の起伏が無くなっている気がする。
喜怒哀楽を表すことが少なくなってきた。
たぶん全てをあの時に置いてきてしまったのだろう。
もう戻れない日々なのにどうすればいいのだろう。
『大丈夫』って、もっと素敵な言葉だと思っていたのに、気がつけば素敵とはかけ離れた使い方をしてしまっていた。
せめてここからは、言葉を素敵に使える、感情表現が豊かな、素敵な大人になりたいな。