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日本の介護エコシステム(第一話:市場外観編)

日本は世界一の高齢化率を誇る超高齢社会です。
まもなく人口に占める、高齢者の割合は35%に達しようともしています。

引用:長寿科学振興財団

高齢化の進行具合を示す言葉として、高齢化社会、高齢社会、超高齢社会という言葉があります。 65歳以上の人口が、全人口に対して7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます。

長寿科学振興財団

私自身は、介護関連産業で、emomeという法人を経営しており、
近年は海外各国、特に中国・韓国・東南アジアから、日本の介護・高齢者の取り組みについて聞かれることが多く、
日本以上に海外の方が高齢者領域に対する関心が高いことを感じます。

また、国内企業においても、既存のマーケットがシュリンクすることは明らかであり、高齢者領域の取り組みを始めよう、という会社は多いですが、うまくいっている企業はそう多くはありません。

今回からしばらくシリーズとして、、介護・高齢者領域について簡単にご説明します。

介護・高齢者市場の概観

高齢者領域は、非常に難しいです。
生活のエコシステムに、介護や自立支援が交わりますが、
この構造がブラックボックスであり、業界もクローズドな雰囲気のため、
参入が難しい側面があります。
一方で、市場は巨大であります。
介護事業所は国内におよそ30万ほどあり、コンビニの5-6倍、実は数があります。国内の個人金融資産のうち、およそ70%は、高齢者が保有するものです。

ご存知の通り、日本は「少子高齢化社会」です。
また、介護は「3K」(きつい、汚い、危険、(給料が安い)、(厳しい))なんて、言われたりしており、人材は圧倒的に不足状態にあります。


また、介護は、社会保障費で賄われており、この問題もあります。
国家一般会計歳出の3割を占める社会保障のうち、介護はおよそ10%ほどです。(こう見ると実は意外に多くはないのです)

ですが、当初保険料中心で賄う予定だった社会保障は、今では約4割が、社会保険料、6割が税金で賄われています。

こうした煽りを受けて、産業の平均利益率は2%と、
困窮の時代を迎えています。

しかし、同時に新たな風が吹きつつあります。

ターゲティングを含めたマーケティングを活用して”、介護保険を使用しない事業が少しずつ浸透しつつあります。
従来介護産業は、国が用意したメニューをやれば、十分に収益が立つ、業界でした。
しかし、高齢者の多様化、介護事業所の増加、保険報酬の低下に伴い、お客様に合ったものを、正しい方法で提供する必要が出てきました。
ようやく、市場原理が効きつつある、そんな状況です。



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