「ウグイス」第2話
トントントントンと小さな鼓動が、ウグイスの胸を何度も速く打っていた。
ウグイスは、何も考えず、そんな自分の心臓の音を聞いていた。
やがて、その音がゆっくりと静かになってくると、ウグイスはあたりを見渡し、そしてぶるりとひとつ震えた。ここがまだとても寒いことに気がついた。そして、なぜ自分がこんなところにいるのかが思い出されてくると、さっきまで速く動いていた心臓のあたりが、ぢくりと痛んだ。そして、そこからまるで血がにじみだしてくるように、熱く、胸がじわじわと苦しくなり、口の中には苦