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【徒然20241213】応用行動分析の「チェイニング」の手法がタスク分解に役立つ

こんなポストをしました。

発達障害の人の多くが、計画を立てて実行する「実行機能」に課題があるとされています。

計画を立てるためには、タスクの分解が必須と言って良いです。実際、「タスクの分解が苦手」という方も多くいらっしゃる印象があります。

そこで、そんなタスク分解がやりやすくなる3つのアプローチをご紹介します。

①最初から順番にサブタスクを設定
一番スタンダードな方法です。「最初にやることは何?」「次は?」と考えていきます。着手しやすいサブタスクへの分解ができるので、主に先送りを回避することに役立ちます。

②完了から逆順にサブタスクを設定
私個人としては、①の次に使っている方法です。「完了の一歩手前は何をしているか?」「その一つ前は?」と考えていきます。タスク達成時を強くイメージしながらやるので見通しが立ち、モチベーションを保ちやすい印象があります。

③ざっくり分解して必要に応じて部分を分解
いったん大雑把に時系列順にサブタスクを並べて、イメージしづらいものをさらに細かく分解していく方法です。最初にざっくり全体を把握するので、未経験のタスクに向いています。

この3類型、応用行動分析の「チェイニング」という、特定の行動を習得するための教え方の手法に非常に似ています。

タスク分解で詰まったら、この3種類のアプローチを試してみてください。繰り返せば、スムーズにタスクを進めるスキルが向上すると思います。

この話の発端は、ある公認心理師の方とタスク管理の話をしていて、「タスクの分解をもっと『自分でもできそう』と思ってもらえるような、そんなアプローチないでしょうか」といった話をしていたときのことでした。

その方は、応用行動分析を専門にされていて、タスク管理にも明るい方で、私がタスク分解のアプローチの話をしていたところ、「それ、チェイニングという手法に似ています」と言っていただいたんですね。

調べると、たしかに進め方が似ているんです。自分がやっているタスク分解へのアプローチと、この「チェイニング」という方法論が似ているというのは、とても(特に自分の中で)盛り上がりました。

ちなみに、チェイニングという名称は「チェイン=鎖」からきています。タスクを構成する各サブタスク(小さな行動)は、まるで鎖のようにつながっている、という意味合いです。この点も私の「サブタスク同士、原因と結果のつながりがある」という考え方とピッタリ合っていました。

なお、チェイニングの中では、①類似のアプローチを順向連鎖化(Forward Chaining)、②を逆向的連鎖化(Backward Chaining)、③を総課題提示法(Total Task)としています。

ますますタスク管理と心理学その他の学術領域の共通性から個人的に目が離せなくなってまいりました。

そんな「サブタスクの原因と結果の連鎖」といった話もしている本、よろしければご覧ください。


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