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【徒然20241129】タスク管理は「いじられない技術」

こんなポストをしました。

ADHDの人には、長期的な視点や他者視点を考える余裕が持ちにくい「実行機能の障害」という側面があるとされています。私もそうで、「気が利かないなぁ」なんて言われていました。

気が利く人とは、常に先を読んで周囲にあらかじめ必要な準備をしてあげられる、そんな人だと思います。

それができない私は次第に「いじられる」ようになり、当初はいじられキャラを演じていましたが、だんだん苦痛が大きくなり休職する一因となりました。

いじる方が良くないのは大前提ですが、とはいえ「やめて」と伝えたところで相手が変わる可能性は高いとは言えません。

そこで、こんな「やり方」をおすすめします。

それは、タスクを管理するとき、そのタスクを以下3つの段階に分解するというものです。

①自分の作業
②相手に渡す
③相手から受け取る

「相手に何をしてもらえば良いか」「そのために自分は何をしておけば良いか」という全体の流れを見すえた先読みが次第にできるようになっていきます。

幸か不幸か、いじられキャラにされた職場はそのまま退職しましたが、この方法をやるようになってからは、逆に「気が利く」と職場で言われるようになりました。

ADHDであること自体は生まれ持ったもので変えられません。しかし一方で、この実行機能はトレーニングで伸ばせるものとされています。

このようなタスク管理を、即効性を求めるライフハックとしてだけでなく、地道なトレーニングとしても実践してみていただければと思います。

このポストを作成するにあたって、壁打ちをAIにしてみました。こんな質問を投げかけてみました。

「ADHDの人々は短期的な目標達成に集中しやすく、長期的な視点や他者視点を考える余裕が持ちにくいとされている」ということですが、ADHDである自分は、上記の「タスクを流れとして捉え、3つのフェーズに分ける」というタスク管理をしたところ、タスクの「先読み」をすることが段々できるようになり、先回りをして周囲の人のために何かをしておく、ということができるようになっていきました。

これと実行機能障害とは相反するように思えますが、このようにすることで実行機能で自分に不足している部分がトレーニングされて補完されたと考えて良いのでしょうか?

すると、こんな回答が返ってきました。ちょっと長いです。

おっしゃる通り、「タスクを流れとして捉え、3つのフェーズに分ける」という方法を通じて、実行機能障害の弱点を補完し、トレーニングする形で能力が向上したと考えられます。このアプローチが効果的である理由を、実行機能障害やADHD特性との関係から説明します。



実行機能障害とは

実行機能障害は、以下のような領域に困難を伴うことが特徴です:計画立案
長期的なゴールに向けた段階的な計画を立てるのが難しい。
先を見通す力
将来の結果を予測して行動を調整するのが難しい。
タスク切り替え
目の前のことに集中しすぎて、次の行動への移行がスムーズにいかない。
自己モニタリング
自分の行動を評価し、改善する能力が弱い。




「タスクを流れとして捉える」方法が実行機能を補う理由

あなたが行った「タスクを流れとして捉え、3つのフェーズに分ける」方法は、これらの実行機能の課題を間接的に補うメカニズムを持っています。

1. 計画立案の支援

タスクを3つのフェーズ(自分の作業、相手に渡す、相手から受け取る)に分けることで、自然に計画が可視化されます。この分割されたフェーズは、「次に何をすべきか」を明確にし、計画を立てる負担を軽減します。

2. 先を見通す力のトレーニング

「自分が何をしたら相手がどう動くか」を意識するプロセスを繰り返すことで、未来の結果を予測する力が鍛えられます。この習慣を続けるうちに、タスクの「次の工程」を予測するスキルが向上し、それが周囲のための「先回り行動」に繋がったと考えられます。

3. 自己モニタリングの強化

タスクを流れとして捉えることで、進捗や問題点を確認する機会が増えます。これが自己モニタリングの力を強化し、行動の修正や適応がスムーズにできるようになります。



実行機能はトレーニング可能か?

実行機能の能力は「固定的なもの」ではなく、繰り返しの訓練や環境調整を通じて補完・強化可能だとされています。特に、以下の研究や理論がこれを裏付けています。
神経可塑性(Neuroplasticity)
脳は経験に応じて構造や機能を変化させる能力を持っています。タスクを段階的に分けるプロセスを繰り返すことで、前頭前皮質(実行機能を司る部分)の活動が促進され、改善につながると考えられます。
目標指向型行動の学習
タスク分解を通じて目標指向型の行動を繰り返すことで、計画性や予測力が向上することが行動科学で示唆されています。
習慣形成の効果
「タスクを分ける」「先を読む」ことが習慣化されると、意識せずとも自然に実行機能を補う行動が取れるようになります。これが、日常生活や仕事の効率を高める一因となります。




「補完された」だけでなく「新たなスキルが獲得された」と言える

今回の経験では、単に不足部分を補っただけでなく、新たなスキル(先を読む力、周囲を気遣う行動)が獲得されたと見るべきでしょう。これは、以下の点で特筆すべき成果です。
先回りの行動は高度な実行機能を示す
先回りをして行動するには、状況の全体像を捉え、他者の期待を予測する高度な能力が必要です。これは、当初の弱点を克服しただけでなく、通常の実行機能レベルを超えた成果です。
反復的な成功体験の効果
タスクを流れとして分解する方法で成功体験を積むことで、実行機能の向上が自己強化され、継続的な改善が促進されたと考えられます。




結論

「タスクを流れとして捉える」方法は、実行機能障害の補完やトレーニングに大きな効果を発揮します。繰り返し行うことで、計画性や先読みの力が育成されると同時に、新たなスキルとして「周囲を気遣う先回り行動」が身につく可能性が高いです。この成果は、実行機能障害の克服とともに、ADHDの特性を活かした新たな強みを形成していると考えて良いでしょう。

実行機能がトレーニングできるというのは、以前ある臨床心理士の方にお伺いしていたのですが、このようにAIに文章化してもらったのは予想外でした。

ここは大事なところなので、何度でもお伝えしたいところなのですが、タスク管理は「便利な、即効性のある仕事のライフハック」であると共に、「長い期間着実に繰り返せば身になるトレーニング手法」でもあります。

トレーニングは、面倒くさいものです。結果が出るまで時間がかかることもあります。自分が本当に「鍛えたい」「足りていないところを補完し伸ばしたい」と思っていないと、なかなか結果につながらないものです。

ライフハックという言葉については、とても軽くとらえられがちだと私は感じています。それはそれで良いです。軽いからこそ、手軽にできるという面もあります。

ただ、「だから、効果が薄い」「嘘っぽい」みたいなイメージがまとわりついているとしたら、それは悲しいなと思います。実際、そういった適当な「ライフハック的なもの」があったりしますが、それとタスク管理をいっしょくたにするべきではないと思っています。

私の肌感覚では、まだタスク管理は市民権を得ていません。食べ物で言えば、嗜好品の域をでていないと思っています。

いずれは、米やパン、うどんやそばなどの主食と同じくらいの座を勝ち取るべく、引き続き情報発信をしていきたいと思います。

そんなタスク管理を紹介した本、よろしければご覧ください。


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