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【徒然20241119】反すう思考には、「タスク詰め詰め」「明確で具体的な目標」が効く

こんなポストをしました。

発達障害の人は、「ああすれば良かった」という後悔や「こうなってしまうのでは」という心配に頭が占拠されて延々と考えてしまう、いわゆる「反すう思考」になりやすいとされています。

これらは、脳機能の特性や過去の失敗体験からの学習で、避けられないものだったりします。

そんな方には「つい後悔や心配してしまう自分を変えようとせず、そんな暇もないくらいタスクを詰め込む」のをお勧めします。

現在の「やるべきこと/やりたいこと(タスク)」に集中せざるを得ない状況を作りだすのがポイントだと考えます。

そのために、自分のタスクを「具体的に」「今できる行動」として書き出すと良いです。フワッとしたすぐにできそうもないことを書くと、反すう思考が開始する隙ができてしまいます。

ということで、「反すう思考が止まらない!」と悩んでいる方は、ぜひ以下2点をしていただければと思います。

・気になることに対して今できる具体的な行動を書き出す
・そうしてできたタスクをたくさん詰め込んで実行する

そして、何よりも大事なことは、反すう思考をしがちな自分を大事にしてあげることです。

反すうで生まれる不安の裏には、同量の願望があります。その願望は、自分をより良い方向に持っていく原動力になります。

そういった願望を行動力に変換することができれば、反すう思考はむしろ強みにもなると言っても過言ではありません。

これについて、ある奇跡が起こりました。

この内容のポストをしたその日に、下記の記事が公開されたのです。

米ワシントン大学医学部(UWSOM)の最新研究で、ADHD症状が緩和する時期は仕事やプライベートで忙しくなっている時期と一致する傾向があることが判明したのです。

もっと詳しく見ていくと、、、

そもそもADHDを持つ人においては、やることがなかったり、達成すべき目標が漠然としていたり、指示が曖昧な状況において、ADHD症状が強く現れやすいことが知られています。

こうした状況にあるとADHD患者は何をどのように進めるべきかわからなくなり、目の前のことから気が逸れて、不注意や集中力の欠如が現れやすくなるのです。

そこでADHD症状を管理するセルフマネジメント方法として、具体的な目標設定やスケジュール化が役に立つことが以前から指摘されてきました。

「忙しい状況」というのは、まさにこうしたセルフマネジメントに近い環境をADHD患者に自然と要請することになるのです。

仕事やプレイベートが忙しくなることは、ADHDを持つ人に具体的なスケジューリングを要求し、それが症状を緩和させる有益な行動につながっている可能性があります。

当日の朝ポストした内容と、非常に近しい(同一ではない)テーマに関する記事でした。

念のため申し添えておくと、私のポストは、

(発達障害の人によくありがちな)反すう思考への対処法

というテーマであり、記事の内容は、

ADHDの症状の緩和における、(忙しくなることにより要請される)セルフマネジメントの有用性

というテーマです。

記事のタイトルだけ見ると、「忙しくなるとADHDの症状が緩和する」と読めてしまうのですが、そこはミスリードしてはいけないと思います。

全私が騒然とした、こちらの記事内容。

”ADHD患者が目標やスケジュールを作る上では、漠然とした大きすぎるものではなく、小さくてもいいので明確な目標を設定することが大切”

”「忙しい状況」というのは、まさにこうしたセルフマネジメントに近い環境をADHD患者に自然と要請することになる”

忙しい=ADHD症状が軽減

ではなく、

忙しい=セルフマネジメント実行を余儀なくされる=ADHD症状が軽減

であることに注意したいなと思いました。

注意深く読めば、ADHD症状の緩和に大事なのは、「忙しさ」ではなく、分割され具体化されて明確化された小さな目標設定をするという「セルフマネジメント」だと読み取ることができます。

したがって、忙しくなくても、セルフマネジメントがちゃんとできていればADHD症状は緩和する、ということになります。逆に、いくら忙しくしていても自分に合ったセルフマネジメントが適切にできていなければADHD症状はそのまま、ということになります。

上記で示した「タスクを分割して、具体的で明確な目標を持つサブタスクを設定する」というのは、タスク管理の重要な要素の1つです。「発達障害」「タスク管理」を軸に活動している私にとって、快哉を叫ぶべき記事・その元となる研究だと思います。

先日上梓した本は、まさにそのようなコンセプトをもって書かれたものですので、興味ある方はぜひご覧いただければと思います。


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