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【徒然20241111】タスクに着手するためには、安全を確保した上での危機感が効果的

こんなポストをしました。

「未来のタスクが現実的に感じられず、迫ってくるまで手を付けられない」傾向は、私含むADHDの人に特に顕著だとされています。

そもそも我々ADHDの人は、タスクの計画遂行が苦手だったり、将来の達成感に現実味がなかったりする特徴を持っています。努力や頑張りでどうにかするのも限界があると思っています。

これらの特徴があることを前提にすると、私たちに必要なのは、以下2つだと考えています。

①行動していけばタスク達成につながるという「安心感」
②今やらなきゃ!という「危機感」

矛盾しているようですが、①の安心感があるからこそ適切に②の危機感が持てるという関係にあり、両立します。

先日、私が講師をしている就労移行支援事業所の「しごと管理術」という講座で、「今月(11月)末までに忘年会のお店を予約する」というタスクをみんなで考えてみました。

この時点では私含めて「予約までずいぶん先だなぁ」という認識でした。

まずは、LINEグループに連絡して出席者を確定させ、苦手な食べ物をリストアップし、周辺のお店情報をまとめて......と、時系列に沿ってタスクを(小さなサブタスクへ)分解していきました。

その上で、月末からさかのぼって各サブタスクの着手日と締切日を逆算して設定していきました。

すると、「LINEグループへ忘年会について連絡する」という最初のサブタスクの締切が「今日」だということになり、参加者全員「えっ......」となりました。

この事例で、タスクの分解が①、日にちの設定をした際の「えっ......」が②です。

②が「今日」になったのは意外でしたが、少なくとも着手までそんなに日がないという感覚を持つのが大事だと思います。

このように、「未来のタスクが現実的に感じられず、迫ってくるまで手を付けられない」傾向への対策として、余裕を持って事前に①②をしておくのは大変おすすめです。

「未来のタスクが現実的に感じられず、迫ってくるまで手を付けられない」という傾向、これで悩む人は多いかと思います。

ADHDの人は、タスクの計画遂行が苦手だったり、将来の達成感に現実味がなかったりする特徴を持っているとされており、この2つがタッグを組んで、上記の傾向に拍車をかけているものと思われます。

タスクの計画遂行が苦手なのは「実行機能の障害」、そして将来の達成感に現実味がないのは「遅延報酬障害」と呼ばれ、いずれもADHDの症状としてはよく挙げられるものです。

この対策としては、「いかに『まずい』と早く思えるか」に尽きます。多くの方々は、「未来のタスクが迫ってくるまで手を付けられない」と感じていても、結局はどうにかできる、どうにかしてしまうんですね。対策を打とうという行動を本当に起こすまでの危機感が持てていない。

もちろん、結局はどうにかできるのであればいいんじゃないかという考え方もあります。むしろ、そんな状況でもなんとかやっていけるそのスキルこそ凄いと思うのですが、毎日タスクに追われる生活はお世辞にも心地良いとは言えないでしょう。

個人的には、この「危機感」は、取り組み方によっては非常に心臓に悪いものになります。明らかに締切を破るのが分かっている状態で、あらためて「これは炎上するぞ」と認識するのは、正直嫌なものです。

それに対して、「行動していけばタスク達成につながる」という段階、つまりタスクが発生して間もない段階で「こうやっていけば(安全に)達成できる」と認識しておけば、逆算して今日やらなければいけないことがあると分かったとしても、「でも、計画通りにやっていけば無事に遂行できるんだ」と思えるので、「安全に」「危機感を覚える」ことができます。

そうした、安全な危機感を常に周囲にはべらせつつ毎日を送る、というのが、もしかしたら仕事をする状況としては理想なのかもしれません。

「間に合うかどうか」はどれだけ早く「まずい」と思えるか、というテーマの話も書いている本を書いています。よろしければご覧ください。


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