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【徒然20241117】仕事を後押ししてくれる「鳥の視点」「虫の視点」

こんなポストをしました。

発達障害の人は、次の矛盾する2つをあわせ持ってしまう場合があります。

①タスク完了までの見通しが立たないと動けない
②見通しの過程が並んでいるとやる気が失せる

この矛盾を解消する仕事の進め方をお伝えしようと思います。

①は、計画して実行することに負担を感じるという「実行機能の障害」と考えられます。

②は、完了までに複雑な手順が必要なタスクには動機が低下するという「報酬系の障害」と考えられます。

上記いずれも発達障害の人にありがちな傾向だとされています。

たとえば、大きなプロジェクトのTODOを書き出して、その量と複雑さに圧倒されて結局手が付けられなくなったりします。

①をすると②が芋づる式に発生してしまうのも厄介ですね。

これに対しては、2つの視点を分けて持つことが大事だと私は考えています。

①→高いところから全体を見渡す「鳥の視点」
②→全体の中の一点に焦点を絞りこむ「虫の視点」

これをどうやって現実的なやり方に落とし込むか。私は、このようにやっています。

①→タスクをサブタスクに分解する
②→今やるサブタスクだけ抜き出す

①をすることで見通しが立ち、「計画して実行する」ことを後押ししてくれます。

②をすることで小さな達成感がテンポよく得られ、動機をキープしてくれます。

①でタスク全体を見渡し、②で特定のサブタスクに集中する。それが終わったらまた①に戻り、次のサブタスクを抜き出して②をする。

この繰り返しで、2つの視点をタイミングよく切り替えることができ、①②の矛盾を解消して仕事を進められるようになります。

この2つの視点は、自分のタスク管理手法の大事なバックボーンになっています。

どうやらエンジニアの世界でも同じ構造で仕事上のやるべきこと(タスク)をとらえられているようです。

私のタスク管理手法を「基本的」と言われることがあります。こうしたエンジニアの文化に触れている人にとって、そう思えるのは当然かなと思います。ちなみに、基本的だと言われることは嫌ではありません。

ところで、上記ポストには載せなかったものの、以下のこともまた大事な内容ですので、ご紹介したいと思います。

②の「今やるサブタスクだけ見えるようにする」というのは、「目に見えないものは認知できない」というADHDの傾向を逆に利用し、不要な情報を見えなくすることによって無駄に認知リソースを食うのを避け、行動を駆動させるのに役立っている。

これは、下記のようなADHDの注意制御の研究の結果を利用しています。

ADHDの人は視覚情報に対して優先的に反応する傾向があり、視覚的に目立つものに注意を向けやすい。これは注意制御の仕組みが外部の刺激によって容易に引き付けられるため、目に見えるものが優先されがちである。

これは、私がこのタスク管理手法を考えたときに、自然に「今実行する段階にないサブタスクは隠してしまおう」と思った感覚と合致しており、まさにADHDならではなのかなと思いました(もちろん、定型発達者にも有効な手法だと思いますが)。

そういった効果もあるタスク管理手法を本にまとめて書きました。よろしければご覧ください。


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