「ブス」という言葉に傷ついたときの話。
私は18歳で左目が二重まぶたになり、20歳で右目が二重まぶたになった。
それまでは一重まぶただった。
祖母の代から「成人する頃にまぶたがたるんで二重になる家系」なのだ。
ハハもおばたちもそうだった。
でも、二重まぶたでいたいのはティーンの頃。
大人になってからじゃない。
15のときにはじめてアイプチをした。
当時のアイプチなんてすぐかぶれてしまう。
高校入学のとき、私を「ブス」と罵った先輩が、アイプチをした私に声をかけてきた。
「君、本当は可愛かったんだね。
連絡先教えてよ」
今から20年は前のこと。
でも、このときの不快感は今でも拭えない。
化粧品で二重まぶたにしたら「ブス」から「可愛い」になるの?
最低…
複雑な気持ちだった。
そんなんわかってる。
自分だって…二重に憧れたからアイプチしたんだ。
でも…、こんなあからさまに…。
しかも、「本当は可愛かったんだね」なんて。
本当の私は一重まぶたなのに…。
連絡先は教えなかった。
今でこそ、芸能人に似てるなんて言ってもらえる私だけど…絶対に人に「ブス」なんて言いたくない。
涙ぐましい努力や、傷つき。
たくさん抱えてる。
私は「ブス」「デブ」と呼ばれた時代があるから、余計に敏感にその言葉をキャッチする。
そんなこと他人に言うやつがいたら、今でもジロっと睨んでしまう。
最低だと思ってしまう。
アイプチでただれた自分の目元を見て泣いた日々のことを思い出す。
言うな。
バカヤロウ。