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お話し上手なタコさんと、話が聞きたい小魚たちのおはなし。

ある湾の海底に、お話し上手なタコさんが住んでいました。
そのタコさんは物知りでもありましたから、お話を聞きたいと小魚たちが集まってくるのでした。


いたた!タコさん、痛いよ!

タコさんの吸盤に小魚がくっついてしまいました。

ああ、ごめんね…
わたしは、話しの調子が良くなってくると身振り手振りが大きくなってしまって。
わたしの吸盤は力が強くて痛いよね。
ごめんね…

お互いの悩みがこれでした。
いつも話の途中から何匹かタコさんの吸盤にくっついてしまうことでした。

そこでみんなで相談することにしました。

話がまとまると、小魚たちはそれぞれ違う方向へ泳ぎ出しました。

しばらくして、皆それぞれ貝がらをくわえて戻ってきました。

ねぇ、タコさん、この貝がらたちを吸盤につけてみてよ。

やってみよう。

タコさんはひとつひとつ貝がらを吸盤に貼り付けていきました。

全部つけ終わると、まぁなんとカラフルなんでしょう。
タコさんはまるでドレスを着たようになりました。


さあ、お話を聞かせてよ!タコさん!

ああ、もちろん。



こうして、どこかの海底で、今日もまたタコさんのまわりには小魚たちが集まってお話しを聞いているのでした。




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