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最高の金曜日の約束

一緒の沿線沿いに住んでいるため、退社後ご飯に行く機会が多い先輩がいる。
金曜日に先輩と一駅離れた駅で待ち合わせた。

前にご飯に行った時に酔った勢いで「どうやったら先輩は僕のことを男として見てくれるのかなあ。」とつぶやき帰りがけの先輩に甘えてしまった。

それを次にご飯に行った時にネタにされ恥ずかしくなったが、その帰り道に酔ってない状態で告白し、オッケーをもらった。

付き合ってから初めての金曜日になり、どこかでご飯を食べてから帰ろうと約束していたため、
会社の人にバレないよう一駅離れたところでわざと時間をずらして退社し、待ち合わせをした。

久しぶりの彼女だからなのか、それとも会社の人に秘密にしているからなのか、待ち時間は落ち着かなかった。

そこに少し不機嫌そうな先輩がきた。
「お待たせ。じゃあ地元のほうに帰って飲みに行こっか。」と言い、電車に乗った。

お店に入って、どうして今日不機嫌そうなのと聞いた。
そしたら上司から仕事を押し付けられ、外出先ではセクハラまがいのことを言われたと話し始めた。

いつも弱い部分や愚痴などは見せないようにしてた先輩から彼女になった瞬間のような感じがして、ニヤニヤしないようにと必死で我慢しながら聞いていた。

「愚痴ばっかり言ってごめんね?でもそんなにニヤニヤするほど面白い話かな?」と先輩に質問され、しまった!と思い、心の中で思ってたことを伝えると、
少し怒ったような表情で、顔をんーとしかめてすぐに「そんなこと言われたら怒るに怒れないじゃん!」と言ってきた。

その仕草が可愛くてたまらず、笑ってしまった。

そしたら私は怒ってるんだからなー!と同じような顔をしてきた。
「もういい。」とぷいっとして、ジョッキのビールを飲みほした。

その帰り道いつもより飲んだ先輩が悪酔いしていたのか、「ねえー、おんぶして。」と急に甘えてきた。
「えー危ないですよ。」というと、「男なのにおんぶもできないのー?男としてやっぱり見ることできないかもなー」と言ってきた。
そんな事言われたらこっちも男なわけで「おんぶくらいできます!」といい、先輩をおんぶして、家に送っていった。

家の前に着いたとき、「それじゃあ帰りますね。」と言い帰ろうとすると、
「今日は金曜日だよ?帰るの?泊まって明日帰ればいいじゃん。」
と先輩が言ってきた。

意表をつかれて呆気にとられた顔をしながらも、嬉しさが込み上げてきた。

「じゃあ少し飲みながら、ネトフリで映画でも見ようか?」
とベッドにもたれながら映画を見ていると、先輩が頭を肩にこてんっ。としてきた。

ボタニカルなシャンプーの香りをまだ感じることができ、ヤバいな。と先輩に目を向けると、無防備な寝顔。

先輩をベッドに寝かせてから、冷静になるため顔を洗いに行き、ソファーで横になりながら無防備な寝顔を見ながらを「この幸せがいつまでも続くよう頑張ります。」とつぶやき、寝落ちした。

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