【ゲームレビュー】Mutant Year Zero: Road to Eden【ストラテジー】
『Xcom』シリーズにインスパイアされた戦闘とステルス要素を組み合わせたシステムが特徴的なターンベースストラテジーRPG。核戦争によって荒廃し、かつて栄えた人類文明も壊滅状態となり、人類に代わってミュータント達が支配する世界が本作の舞台となる。
----------------------【良い点】----------------------
魅力的な世界観
◆ 残念ながら筆者は今作の世界観のベースとなっているTRPG『Mutant』を遊んだ事は無いので、そちらとは違いを比べられないのだが、今作で表現されているポストアポカリプスな荒廃した世界はとても魅力的に感じた。
特に個人的に気に入った設定を一つ挙げるなら、主人公達は人類が繁栄していた過去の時代の遺産、資源を探し、集めて有効活用しているのだが、彼らはそれら集めている物の知識を持っていない場合が多い。
例えば遺物の一つにどこから見ても『ipod』な外見のアイテムがあるのだが、主人公達はそれが「果実の熟成度を調べる機器」だと思い込んでいたりするのだ。
他の遺物も説明文が面白く、「この世界で」どういう用途で使用されているのか、または上記した遺物の様に勘違いをしているのかを見るだけでもなかなか面白い。
戦闘&ステルス
◆ 今作の戦闘自体はキャラクター毎のスキルを使用しつつのオーソドックスなターンベースのストラテジーとなっているが、戦闘に突入する前に敵をステルスキル可能な事が特徴的だ。
敵がこちらに気付く方法はいくつかあるのだが、『敵の視界に入る』『攻撃後に1ターン経過すると、増援を呼ばれる』『消音(サイレンサー付きの銃等)や特定スキル以外の武器で攻撃する』といったものになっている。
今作の敵は低難易度でプレイしている場合でも意外と強く、囲まれると簡単にこちらが倒されてしまうので、戦闘の前に可能な限り敵の数をステルスキルを使用して減らすことで、戦闘は格段に楽になる。
戦闘中のストラテジーだけではなく、その前段階が重要になるわけだ。
成長要素
◆ 戦闘に参加していない、あるいは敵を倒していないキャラクターにも平等に経験値が入る。というよりもアカウントに経験値が入っているような感覚だろうか。
これによりストラテジー系でたまにある、使用したくないキャラを無理やり使ったりしなくても良いのはありがたい。
レベルが上昇するとスキルポイントを入手し、それらを使用してスキルをアンロックしていくことができる。ただし、今作では敵がリスポーンしないので『レベ上げ、経験値稼ぎ』ができないので、どのスキルを習得するのかは考えながら進めた方が良い。
また、素材を消費して武器を強化する事も可能だが、こちらも入手できる素材が限られているので強化する武器を厳選する事になる。
----------------------【悪い点】----------------------
ボス戦
◆ 今作ではボスに相当する敵が少なく、戦闘が単調になりがちだ。
日本語字幕
◆ 日本語翻訳自体は丁寧で素晴らしいものになっているが、字幕が小さく、少し読み辛い。場所によっては背景と同化する箇所も。
物語
◆ ネタバレになるので詳細は伏せるが、DLCや続編で続けるつもりなのか定かではないが、ストーリーは『アレ、これで終わり?』という展開で終了する。それまでが面白かっただけに残念だ。
ボリューム、リプレイ性
◆ 別難易度や実績等のやり込み要素が無いわけではないが、再度プレイする気は起き難い。というのも、上記したように戦闘には一定のセオリーがあり、ほぼどの戦闘でも『ステルスで敵を減らす→戦闘開始』という流れが延々と続いていくからだ。
また、初期の三人のプレイヤーキャラクター以外のキャラクターの習得可能スキルが基本的には他のキャラクターのハイブリットだというのもいただけない。
-----------------------【総評】----------------------
細かい欠点はあるものの、それらを差し引いても本作のステルスが重要な戦闘や世界観はプレイするには十分な魅力を秘めている。
ストラテジー好きにはオススメの作品になっているが、購入する際に注意して欲しいのが上記したようにボリューム不足と終盤のマンネリ感、リプレイ性の欠如が気になったという点だろうか。
プレイ動画をアップしているので、気になった方はこちらを参考までにどうぞ。
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