【ゲームレビュー】The Messenger【アクション/メトロイドヴァニア】
『8bit』と『16bit』の世界を行き来できることが特徴的な『忍者龍剣伝』にインスパイアされたステージクリア型 + メトロイドヴァニア系な横スクロールアクション。
村を邪悪な魔物の軍隊によって滅ぼされた主人公は世界を救う力が宿っているという巻物をとある人物へ届けるという使命を負い、世界で最も高い山の頂を目指すのだった。疾く駆けよ、使者よ。
----------------------【良い点】----------------------
コミカルなストーリー
◆ シリアスな会話シーンはほぼ存在せず(失礼)、会話中は基本的には『主人公』や仲間の『店主』が何かしらのジョークを途中で挟んでくる。
これらがなかなかに興味深く、他の作品のオマージュだったりと思わずニヤニヤしてしまうようなフレーズを見ることができる。また、『店主』が時々語る本編の物語とは全く関係ない『面白い話』は全て見る価値がある。むしろこちらが本編だ。
BGM
◆ どこか懐かしくも現代的で、ハイクオリティなチップチューンが魅力的。BGMには『8bit』と『16bit』のモノが用意されており、世界を行き来した際に瞬時にBGMが現在の世界に対応したモノに切り替わるという仕様になっている。
今作のサントラは購入の価値あり。
アクション&ステージ
◆ 初期から主人公のスペックは高めだが、ステージを進めて行くといくつかの新しい能力が解放される。
能力を上手く活用した『プラットフォーマー』としての質が高い。ステージのギミックは古典的な物が多いが、配置が絶妙でプレイ中は手に汗握ることになるだろう。
どのステージも専用のギミックがいくつか用意されているので、似たようなステージばかりで飽きるという事も無い。
各ステージの隠しエリアに配置されている『チャレンジエリア』はさらに難易度が高くてやり応えがあり、クリアにはキャラクターの正確な操作やギミックを上手く利用する等の一工夫が求められる。
チャレンジをクリアする事で得られるアイテムを全て集める事で、特殊な武器を入手出来るというご褒美も用意されている。
8bitと16bit、二つの世界を行き来するシステム
◆ 中盤以降は8bitと16bitの世界を行き来する事が可能になるのだが、今作ではフィールド内に配置されている仕掛けを使用する事でシームレスに世界間の移動ができる。
どちらの世界でも美しいドット絵を見ることができ、どのように世界が変化するのかを楽しめる。
他にもシームレスに移動できることを生かした独特なギミックも数多く用意されている。例えば8bitの世界で塞がっていた道は16bitの世界では通れるようになっていたり、仕掛けが各世界で違ったりといったものだ。
----------------------【悪い点】----------------------
ハイブリッドの欠点
◆ 物語の都合もあり、前半は探索が少なくてボス戦が多く、後半は探索が多くてボス戦が少なめになる。
純粋なステージクリア型のゲームではなく、後半では色々なステージを行き来してアイテム集めをせざるを得ないので、序盤よりも少しばかりテンポが悪くなる。
その要素をどう思うかで評価が分かれそうだ。
-----------------------【総評】----------------------
アクション面の作りとステージの構成が素晴らしく、横スクロールアクションが好きであればプレイして損は無い作品に仕上がっている。
購入を検討されている方に注意して欲しいのは『メトロイドヴァニア系』というよりも今作がステージクリア型のアクションプラットフォーマー寄りだという事だろうか。
探索要素を期待して購入すると肩透かしを食らうかもしれない。
プレイ動画をアップしているので、気になった方はこちらを参考までにどうぞ。