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【ゲームレビュー】Elderand【ソウルライク/メトロイドヴァニア/2DアクションRPG】

PS5 コントローラーを使用。クリア済み。※本稿はPC(Steam)版『Elderand』のプレイを基に執筆しています。


あらすじとゲーム概要

◆ ラヴクラフト作品に影響を受けたダークファンタジーな世界観が特徴的な、メトロイドヴァニア系ソウルライク2DアクションRPG。

古代の謎を解き明かすため、未知の大地への旅が始まる。致命的なクリーチャーを倒し、隠された通路を見つけ、危険に満ちた世界を攻略しよう。

主人公が船に乗って目的地へと向かうところから物語は始まる。

ゲーム進行自体には影響は無いが、道中でアーカイブという文献を発見する事が可能で、物語の背景を知る事が出来る。いくつかの文献には謎解きのヒントが書かれている場合も。

物語の背景を知る事ができる文献。かなりの数が用意されている。

ドット絵や背景、BGM等は物語や設定とマッチしていてクトゥルフ神話系作品の雰囲気を醸し出すことに一役買っている。また、敵の死亡演出が妙に凝っていて、それぞれに専用の死亡モーションが用意されている。

他にも細かい点ではチェックポイントでは主人公が肉を焼いたかのような描写があるのだが、チェックポイントが配置されているエリア毎に異なる“肉”のドット絵が用意されている。

序盤のチェックポイントでは“魚”を焼いているが…

探索とRPG要素

◆ 探索要素に関してはメトロイドヴァニア系作品らしく、ゲーム進行と共に入手できる『ダブルジャンプ』や『空中ダッシュ』等の移動系能力を使用する事で探索可能範囲が増えていく仕組みになっている。

『ダブルジャンプ』は比較的序盤から入手できる。

それら以外にも、ステージ攻略中の特定エリアで登場するカルト集団が行っている儀式に関連した、ちょっとした謎解きが用意されている。

比較的序盤から入手できる重要アイテムがあれば、チェックポイント間をファストトラベルする事が可能なので、謎解きや探索不能だったエリアに後で訪れる事が容易になっている点は有難い。

発見済みのチェックポイント間をファストトラベル可能。

メトロイドヴァニア系としてはお馴染みの要素だが、ソウルライクな要素を持った作品と言う意味では珍しく、探索を通してHPやMP、SPの最大値を永続的に強化するアイテムを入手する事が出来る。

サブウェポン(消費アイテム)の投げ斧。

無論、それら以外の装備品や消費アイテムを発見する事も可能なので、積極的に探索を行うと良いだろう。

RPG的な要素としてはレベル、ステータス、装備等の概念がある。レベルが上昇すると『STR』『VIT』『WIS』『DEX』の四つのステータスから一つを強化する事が可能になっている。

1レベル上昇する毎に1点分ステータスを割り振る事が出来る。

装備とステータスを特化させる事でちょっとしたビルド構成を楽しむ事が可能だ。装備は2セット分を登録でき、戦闘中に何時でもボタン一つで切り替える事が可能なので、近距離特化と遠距離特化等の弱点を補うような装備を登録する事をオススメする。

装備品の中には特殊な効果が付与された指輪も。

ちなみに、前述したステータスに関しては振り直しは可能だが、かなり後半で入手できるキーアイテムが必要になるので、序盤のステ振りは慎重に行った方が良い。

戦闘

◆ 戦闘はソウルライク作品らしいスタミナの概念を意識した回避やガード、敵とのシビアな間合いの取り合いを楽しむ事が出来る。
本家ソウル系との違いとして、攻撃時にはスタミナは消費されず、回避とガード時のみ消費される仕様になっている。

通常攻撃時にはスタミナは消費されない。

武器には剣や大剣等の近距離武器を始め、弓矢や杖(魔法)等の遠距離武器も用意されている。中には鞭等の特殊な射程を持った武器もいくつか登場する。

探索を通して入手できるいくつかの特別な武器にはコマンド入力を行う事で『技』を発動できる武器も。

画像から出は分かり辛いが、鞭をその場で振り回す技。

入力受付時間が少々短めなので、誤発動し辛いが咄嗟の発動も難しいという形になっている。分かる方に参考までに書くと、感覚的には『月下の夜想曲』のコマンド入力ぐらいの受付時間だ。

コマンドは装備画面で確認可能。

これらのメインウェポンの他にサブウェポンとして『斧』や『投げナイフ』を使用する事もできるが、こちらは消費アイテムになっている。

投げ斧を使用する事で斜め上をカバーできる。

余談だが、回復アイテムはチェックポイントで使用可能回数が回復する所謂『エスト瓶』式ではなく、消費型の『ポーション』式になっている。
ポーション自体は敵の撃破やオブジェクトの破壊で簡単に入手できるし、最悪の場合は商人から購入もできるので、ご心配なく。

購入以外にも素材を消費して作成する事も可能だ。

ビルドと特徴の少なさ

◆ 必要十分ではあるが、いくつかの武器、特に近接武器は特徴が殆ど無く、どれを使っていても同じようなプレイスタイルになってしまいがちだ。

例えば『剣』『大剣(大斧)』『短剣』は攻撃速度と威力、射程こそ微妙に異なるものの、プレイスタイルやビルド構成の違いは殆ど無い。
ザックリ言ってしまうと『近接(剣、大剣、短剣)』『弓矢』『杖(魔法)』の3ビルドのみになっている。

遠距離武器自体も種類が少ない。

サブウェポンをメインに利用したビルドは、サブウェポンの弾数制限が厳しい事から実用的でないので割愛する。

味気ない装備品の強化要素

◆ 敵のドロップする素材を消費して、とある集落で装備品を強化する事が可能なのだが、単純に攻撃力や防御力が上昇するだけなので、非常に味気ない。

武器の強化は攻撃力が上昇するだけだ。

また、基本的に終盤で入手できる装備品の方が強力であるため、終盤以外は装備の強化自体を行う機会が無いと言っても良い。

装備品のクラフトや強化による特殊能力開放などの要素があればその限りでは無いが、残念ながらそういった要素は本作には無い。

--------------------【良い点】--------------------


+ ラヴクラフト作品に影響を受けたダークファンタジーな世界観。それとマッチしたドット絵やBGM。

+ ソウルライク要素を含んだ、シビアな戦闘といくつかのビルド構成。

+ メトロイドヴァニア系らしい探索要素。

--------------------【悪い点】--------------------


- プレイスタイルの変化に乏しいいくつかのビルド構成。

- 全体的に纏まっているが、尖った部分の無いゲーム性。

---------------------【総評】--------------------

これという尖った特徴こそ無いものの、メトロイドヴァニア系要素とソウルライク要素の良いところをついた全体的に纏まった良作。

特に戦闘は緊張感が常に伴っている“分かった”作りになっているため、その手の作品が好きであれば問題ないだろう。

物語やその背景も練られていて面白い作品ではあるが、アーカイブを読む場合はそこそこの量があり、更に本レビュー執筆時点では日本語化されていないので購入を検討されている方は注意して欲しい。


プレイ動画をアップしているので、今作が気になった方はこちらを参考までにどうぞ。


他にもSteamで発売されている『プラットフォーマー』作品をこちらで:

『ローグライク』作品をこちらで紹介しています:


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