【制作記】シナンジュ #1
現在私が制作しているHGUCシナンジュの塗装仕上げの手法を具体的に表記すると『酸化鉄赤色下地銀色立上げ飴色階調艶消し被せ仕上げ』となり非常にわかりにくい面倒な工程に挑戦しようとしております。
10の知識より1の経験
ベアッガイでキャンディ塗装、ゾゴックで黒立ち上げ塗装を経験したのですが、キャンディ塗装では肝とも言えるクリアカラーの重ねがけによる深みの表現およびクリアでの光沢出しを手抜き、ゾゴックではせっかくの黒下地を写真ではわからないくらいに塗りつぶしてしまうという結果に。
そもそも私はキャンディのようなヌメツヤ感も、雑な黒立ち上げ塗装で陥りがちなウェザリングでもない煤けた仕上がりも好きではないので途中で自分好みの加減まで進めたらほとんどグラデーションがなくなってしまったという(涙
それでも『何事も経験!知識だけ人間ではダメ』ということでチャレンジしてみたかったのです。
自分で経験してこそ根拠のあることとしてお伝えできると思います。
そして更に言うと1度の経験では偶発的な事象との遭遇もありえます。
自分の理解度を深め発展させる意味もこめて再現性を確認する必要があると思っています。
キャンディ塗装と黒立ち上げの所感
というわけで、『私にとって』各技法の良かった点と嫌だった点を確認しHGUCシナンジュで目指す方向に活かし方を書いていきます。
キャンディ塗装
長所:シンプルな手順の割に豪華に見える。重厚感的なものを感じる。下地のシルバー感に可能性を感じる。
短所:ゴールが感覚的。ギラギラして派手すぎ。リアルというより偶像的?
黒立ち上げ塗装
長所:失敗しにくい。リカバリーしやすい。ダーク系色をベースにするのでプラ透けをなくし重厚感がでる。立体感もでる。
短所:丁寧にやろうとすると、とにかく手数=時間がかかる。雑にやると汚く見える。最近のスジ彫り追加やプラチップ貼り込み系ディティールアップとは面がうるさくなって相性悪い。
そこで、いいとこ取りして自分好みの仕上げに活かす為の工程を妄想しました。
まず最終的に汚く見えないよう下地を黒に近いグレーでなく、初めから目的の色(赤)の低明度の暗い色(今回はたまたまサーフェーサーレヴォオキサイドレッド)を下地とする。
シルバーでグラデーションを作る。これはMAX塗りの「白立ち上げ法」ならぬ「シルバー立ち上げ法」といった感じである。
また実験的試みとして普通の塗装による普通のシルバーと、オーバーコート気味に吹いたギラっとしたシルバーとで階調を付けてみる。
クリアレッドで本塗装。ちゃんと赤く発色するか?シルバーのメタリック感は残るか?といった不安への保険として、色味と影の追加要員としてクリアイエローとスモークグレー、スモークブルーを用意した。
そして今作の一番の肝は、最後につや消しにする。である。
はっきり言ってグロス(つや有り)仕上げの粗ってメチャ目立つ。
逆につや消しにするだけで上手く塗装できているように見える。どんな料理でもカレー粉をかければそこそこ旨くなる説レベルの間違いなさである。
<つづく>