【ボードゲーム】“自分”の不幸は蜜の味⁉「Gloom 日本語版」【プレイレポート】

はじめまして！
HOBBY BASE商品企画課の稲田です。
趣味はアナログゲームです。（TRPG、ボードゲーム、TCGなどなど…）

自己紹介はさておき、
今回は４月下旬発売のボードゲーム
「Gloom 日本語版」（デザイナー：KEITH BAKER，版権元：Atlas Games）
のプレイレポートを皆様にお届けしたいと思います！

パッケージは黒を基調としたシックなイメージ。
イラストも雰囲気アリアリです。

●どんなゲーム？

　プレイヤーは、社会に適応できず人間嫌いでもある風変わりな一族の運命を支配します。
　ゲームの目的は、自分の一族のキャラクターが死亡するまでに、できるだけ多くの悲劇を味わわせることです。同時に他の一族のキャラクターには、幸せで健康的で退屈な人生を送らせます。
　誰かの一族のキャラクターが全員死亡したら、ゲームは終了です。

……つまり。
自分のキャラクターは不幸に、他人のキャラクターは幸せにしながら、一番不幸に死んだ一族が勝ち！という一風変わったゲームなんです。

(´・ω・｀；)

なにその究極のマゾゲー……。

Gloomのもうひとつの特徴は、使用するカードにあります。

なんと、カードが全部半透明のプラスチック製なんです！！　すごい。

自分や他人の「キャラクターカード」に、不幸度が記載された「運命カード」を重ねていき、一番上から見えている数字の合計がキャラクターの不幸度になります。
（例えば、上の画像なら不幸度-25になります）

ただし！　最終的に競うのはキャラクターの不幸度ではなく、一族の不幸度になります。

一族の不幸度は、死亡しているキャラクターの不幸度の合計になります。

「運命カード」で不幸度を積み重ねたキャラクターは、「時ならぬ死カード」を使って死亡させることができます。
逆に言えば、死亡していなければ一族の不幸度には数えられません。

いくら不幸を積み重ねても、ゲームの終了時に死亡していなければ、ポイントにならないのです。死んでないとゼロポイントなんです！

((´д｀))

かなりブラックジョーク（？）が効いたゲームですが、アメリカでは2004年から発売されていて、定番ゲームとして楽しまれています。
オリジナルの他に、フランス、スペイン、ポーランド、イタリア語にも翻訳されている名作カードゲームなんですよ。

ではさっそくプレイしていきましょう٩( 'ω' )و

●遊んでみた！

まずはセットアップ！
2～5人で遊べるのですが、今回は4人で遊びます。
4つの一族があり、それぞれ5人のキャラクターがいます。
プレイヤーが4人の場合、ひとり1つの一族を選んで、そこからさらに4人のキャラクターを選びます。
キャラクターを自分の目の前に並べたら、ひとりにつき5枚の手札を配ります。
Gloomには手札制限があり、自分のターンの最後には、現在の手札制限までカードを引くことができます。初期の手札制限は5枚です。

並べたらこんな感じです。
ここからこのキャラクターたちを運命を操って、不幸にしたり幸せにしたりしていくのかぁ……。

……。
なんだかワクワクしてきますね！

ちなみに私が選んだ一族はダークの畸人館。
ダーク・ダリウスさんが団長を務めるサーカス団で、延々と子どもたちにクスクス笑いを浮かべるガイコツ男や全身タトゥーの淑女など、個性的なメンバーが揃っています。

スタートプレイヤーはその日もっとも不運なプレイヤーからだそうなので、
朝に買った飲み物を飲み切っていないのに、昼にまた飲み物を買ってしまったわたしからスタートです。

(´・ω・｀)

Gloomのターン進行はこんな感じ。

自分のターンにカードを2枚プレイしたら、最後に手札を補充して終了！　かんたんですね！

さて、まずはファーストプレイフェイズから。
ちゃちゃっと全員不幸にしてしまいましょう。

ひげもじゃ男のサムソン・オトゥールさんは、「ネズミに脅かされた」！
きっとサーカス団のテントにネズミがいたんでしょう。
これで不幸度が-15になりました。

続いてセカンドプレイフェイズ。
このまま不幸にしていってもいいですが……ここはうまぶりプレイでいきましょう。

サムソンさんは「トランプが得意だった」！

このカードは不幸度+15。さっきの-15と打ち消し合って、サムソンさんの不幸度は0になりました。
なぜこんなことを……？　と思ったそこの方は、カードの効果にご注目。
「運命カード」は効果をもつものもあり、カードをプレイされたキャラクターの持ち主に効果が発揮されます。
つまりこのカードを自分にプレイすることで、カードを1枚引くことができるのです！
ゲームの序盤にあえて自分のキャラクターを幸せにしつつ、カードの効果の恩恵を受ける戦略……フフ、決まった……。

カードを1枚引いて、現在の手札は4枚。
カードを2回プレイしたので、最後にドローフェイズがあり、手札制限の5枚までカードを補充……

ん？　ドローフェイズ？

……。

セカンドプレイフェイズでドローした意味ないじゃん……！

うまぶりが失敗したところで、左隣の人のターンです。

左隣のヘムロックの一族は順調に不幸度を重ねていきます。
この一族は、病み気味のウェリントン＝スマイス卿が溺愛するヤベー双子をヤベー乳母が育てていたり、ヤベー娘やヤベー執事がいる一族です。

続いてお向かいのスロガー城の一族のターン。
この一族は、趣味がお散歩と死者蘇生というちょっぴりマッドなヘレナ・スロガー教授が、夫を脳みそだけにしたり、死んだ娘を蘇らせたり、娘にぴったりの花婿を自作しようとしたりしています。こわい。

そんなスロガー城の一族ですが……。

不幸度がとんでもないことになってる。

脳みそだけにされた夫のスロガー卿が、村八分にされています。かわいそう……。
「村八分にされた」は1枚で不幸度‐45をたたき出す激強カードですが、デメリットも大きく、自分の手札を全て捨札にしたうえでドローフェイズがスキップされてしまいます。

すっからかん。

右隣のブラックウォーターの一族も、順調に不幸度を重ねていきます。
（写真を撮り忘れました……）
ちなみにこの一族のリーダーはおばあちゃん（たまに人を暗殺する）で、（人を殺したくて）都会に憧れる少女や、かわいいワンちゃん（死体が埋まってる場所を全部知っている）がいます。ほのぼの。

ターンが一巡し、再び私のターンになりました。
先ほどのプレイを反省し、今度こそうまぶってやります！

ダリウス・ダークさんは「遺言状に名前がなかった」！

ハブられるダリウスさん。嫌われていたんでしょうか……（思い当たる節が多い）
ドローフェイズが飛ばされてしまいますが、-20の不幸度をゲット。さらに金銭のアイコンを付与します。
さらにダリウスさんの受難は続きます。

ダリウス・ダークさんは「井戸に落ちた」！

遺言状に名前がなかったうえに井戸に落ちる……これはなにか事件のにおいを感じますね。
さきほどのカードと合わせて不幸度は-30。さらに「運命カード」の効果で、このキャラクターに「時ならぬ死カード」をプレイすることができます！

ダリウス・ダークさんは「階段から突き落とされた」！

これはもう完全に事件ですね！
遺産の取り分を狙う何者かに、ダリウスさんは殺されてしまったのでしょう……。
※と、こんな感じで「運命カード」によって起こった出来事で物語を作っていくのもGloomのおもしろさのひとつです！　ぜひ試してみてくださいね。

「時ならぬ死カード」でダリウスさんは死亡し、不幸度が固定されました。
上から見えている不幸度は-30。さらに金銭のアイコンがあるので、追加で-10。
キャラクターの不幸度は-40です。
そして死亡したことで、一族の不幸度も-40になりました！　不幸だ～！（うれしい）

この調子でバンバン不幸にしていきましょう！！

数ターン後…

「イベントカード」が手札にやってきました。
使い捨てのカードですが、カウンターやフリープレイの追加など、強力な効果のものばかりです。
真ん中の「想像上の友達」は、生きているキャラクターを1人選択してゲームから除外する効果を持っています。
こんな強力なカード使わない手はありません。

お向かいのスロガー城の一族のグロガーくん（手作り花婿。ぬいぐるみに脳が詰まっている）に、「想像上の友達」を使用！

グロガーくんはイマジナリーフレンドだったんだよ！！

と、さっくり存在を消されてしまいました。おそろしいカードだ……。

さらに数ターン後…

いい感じに不幸になってきました。

この時点で死亡しているのはダリウスさんひとり。
得点になるのは死亡しているキャラクターの不幸度だけなので、このままではダリウスさん以外無価値です。（ルールブックにそう書いてあります）
ゲームは誰かの一族が全員死亡したら終了します。
幸いなことに（？）キャラクターの不幸度は他の人より高いので、このまま勝負を決めてしまいましょう！

まずはあらかじめ延々と子どもたちにクスクス笑いを浮かべるヤバいガイコツ男ことミスター・ギグルスさんに「窒息死した」をプレイします。
不幸度は-10と、効果でさらに-10で合わせて-20。低いですが問題ありません。苦しまずに逝けたのでしょう。

さらに次のターンのファーストプレイフェイズに、エリサンドラ・デ・ヴィルさんに「湿原で溺死した」をプレイします。
これでエリサンドラさんの不幸度は-55。これは大きい。

残る生きているキャラクターはあと一人、サムソンさん。
しかし、セカンドプレイフェイズでは「時ならぬ死カード」がプレイできません。
サムソンさんの今の不幸度は-20……このままターンを明け渡してしまえば、「運命カード」で幸せにされてしまうかもしれません。

……それはどうかな？

イベントカード発動！　「嵐の一夜」！
このカードの効果により、4枚カードを引き、さらに「時ならぬ死カード」もフリープレイすることができる！

これにより、サムソンさんには「絶望して死亡」してもらう……！

そして誰もいなくなった……。

誰かの一族のキャラクターが全員死亡したので、この時点でゲームは終了です。
ここから死亡しているキャラクターの不幸度を計算します。
私の一族は全員死亡で、不幸度は-20、-20、-55、-40……合計-105！
一番不幸になることができました！✧＼\ ٩( 'ω' )و /／✧

めちゃくちゃ物騒なゲームだな。

「Gloom」、いかがだったでしょうか？

自分のキャラクターは不幸に、他人のキャラクターは幸せにするという一風変わったルールと、不気味で美しいアートによる、かなり独特な世界観のゲームになっています！
半透明のカードを重ねるスタイルも、他にはない魅力です。
気になった方はぜひ遊んでみてくださいね！

Gloom 日本語版 特設サイトはコチラ！

HOBBY BASE 　稲田