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青春18✖︎2 君へと続く道

青春18×2 君へと続く道 という映画を観た。余命10年の監督ということもあり内容が少し似ていたような気もするけど、それを抜きにしたらとても感動した。予告すら見ずに行ったけれど、案の定ぼろぼろと涙を流して観た。私の着ていた紺色のスウェットは涙のしみが出来ていた。映像がとにかく美しくて引き込まれた。この映画のサウンドトラックを聴きながら大学行きのバスの中でこれを書いているけれど、今も思い出して泣けてしまうくらい。映画の中のふたり。来世ではどうかふたりで、幸せになってくれていたらいいな、と勝手に願ってみる。そんな願いからか私の今日の靴は初めに主人公の男の子が履いていたNB。

18年前か。私は何をしていたかと考えてみたけれど私はまだ2歳で、公園で駆けずり回っていた頃だろう。そう思うと、私はまだ全然生きていないんだなと感じた。いつも思う。ヒロインに取り残された主人公は何を想って生きているのだろうかと。青春という名のもとで愛した彼女を忘れること、できるのかな。真っ白いキャンパスみたく綺麗で美しく、それでいて主人公の彼色に染まりつつあった彼女。主人公を最期まで想い続けた彼女は、こんなにもまっすぐ生きていたのに。勝手に歯痒さを覚えながらこんな現実、あるのかなと考えたみた。

青春という言葉を聞いて私に思いつくのは高校の3年間。まっすぐに好きという感情のまま生きる人たちを見て、私もそうでありたいと思い、ひとりの人を好きになった。好きになったというより、気づいたら好きだったといったほうが正しいかな。映画の中でヒロインたちは原付に乗って台湾の夜の街を駆けた。私たちはそんなヒロインたちみたく、少しばかり生き急ぎながら毎日を送っていたように思う。部活にテスト、家のこと、進路のこと。たくさんの事象のなかで、生活の中にお互いが入り込み、息をしていたような気がする。時の流れの中で今まで味わったことのないたくさんの感情を持った。でもいま、私は貴方の夢を知らないし、何処で何をしているかも知らない。知らなくて良い関係になったし、もう知りたいとは思わないけれど、ただただあの頃は青春だったなと思う。

青春って、青い春って言葉で表すから、なんだか壮大なような気がして、私には青春なんてないなと思っていたけれど、たしかにあの頃は、青くてすこし半透明な春が毎日続いていたような気がする。

映画を観たあとに観た、いつもはビルだらけの空はピンクに染まっていて、ジミーとアミに永遠が訪れてくれますようにと深く、深く願った。

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