夏も終わってく

今年の夏はほんとうにいろんなことがあったと思う。ただひたすらに落ちていく日々もあれば、数日前のようなひたすらいい時間の日もある。夜部屋の窓を開けているだけで涼しい風が入ってきて、ああ、こうやって今年の夏も終わってくのかと思った。

3日前は最近バイト先で今までないくらい仲良くなった人と服を買いに高速を走らせ、行った。バイト以外での遠出は初めてだったので、会ってそうそう、緊張をほぐすために煙草を吸うためにコンビニに車を停めた。

たしか、8月の終わりに初めて会った人とも、会ってそうそう煙草を吸ったなと思い出していた。人からされたことは、いつの間にか身体に染みこんでいるんだと感心していた。私の中ではきっと死ぬ時にあの頃はバカなこともしたなと思い出すレベルのバカな経験をした夏でもある。

不安ばかりが先行し、この不安が現実になったら生きていく希望すらない、という状態まで落ちた。そんな私を心配し、少し笑いながらほぐしてくれる友達達に救われ、晴れて不安解消★となって今に至る。

まだその人と話す機会が途切れていないので、きちんとしてほしいと自分の思いを伝えてみると、
謝罪の言葉と、次からは絶対にきちんとするという言葉があった。

私はその言葉に、次があるんだとめんどくさいような複雑な気持ちになり、考えるのをやめたくなった。トーク履歴を消してしまえば、一緒に記憶から抹殺される単純な私は、真っ先にトーク履歴を消した。すこし遠出をしようという言葉に、いつかしましょうという当たり障りのない返答をしておいた。


ふと目の前の人以外のことを考えるのはやめようと感じて、煙草についた自分のピンク色のリップを眺めていた。


そういえば、わたしたち、服の趣味から音楽の趣味までまさしく一緒だから、それは意気投合するだろうという感じでここまできて、お互いに似合う服を探しては着てみて、買ってしまえコールをしたものだった。

ふと彼が着てみた服がとてつもなく可愛くて、わたしも欲しくなってしまって、え、取り合いでは。という雰囲気になっていた。全く趣味が合うと欲しい服もかぶってしまうのか、そりゃそうかと笑っていると、店員さんが、よかったらこちらのシリーズで去年のもあるんで良かったら。と声をかけてくれた。去年の型も、もちろんお互いの好みなわけで、今年の型と去年の型、どちらがいいのか、何度も何度も試着して決まった。結局、わたしは今年の型。彼は去年の型と色が気に入り、まんまと購入した。

夏が終わり、短い短い秋を経て、
とうとう冬がくる。

あなたと決めた些細な約束事がたくさん待っている。

密かな楽しみにして早々とすぎる日々を、就職をして自分で生きていくという未来のために歩み進める。



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