アラスカ1人旅記録 vol.12

バックカントリーキャンプ編🏕️

バスを降りる時、他のキャンパーたちが拍手で見送ってくれた。
ありがたい。優しいなぁ。

早速道の脇から山に入っていく。
「やばいな、ほんとに来ちゃったな」
目の前にそびえ立つ山を見ているうちに実感が湧いてきた。
Googleマップを開いて事前にダウンロードしておいたオフラインマップを開く。
いい時代になったもんです。
方位磁石がなくても、地図がなくてもケータイがあればGPSで大体の自分の居場所を教えてくれる。
でもケータイを見つめながら歩くんじゃあここに来た意味がない。
粗方の歩き方と方角に目星をつけてケータイをしまい、私はいよいよ歩き始めた。

そもそも人が歩くような場所ではないので
枝や雪を掻き分けながら歩く。
これが慣れるまでなかなか大変だった。
雪が深いところでは靴の中にじゃんじゃん雪が入り凍傷しそうになる。

そして最大の恐怖はやはりクマ。
私はクマが大好きだ。
高校の頃読んだ星野道夫さんのエッセイに出てくるグリズリーベアのたくさんのエピソードに心が震えたからなのだと思う。
とはいえ、いざここに来てみると
クマは恐怖と脅威そのもの。

ずっと声を出して手を叩き、人間が来た事をアピールしながら歩いていく。
歌も歌った、が、何を歌ったかは全く覚えていない。怖かったんだろうな、自分。。

何度かケータイを確認しながらルートを外れていない事を確認し、進んで行く。
少し歩くのにも慣れてきた。
やっと楽しくなってきたぞ👌🏿

雪がまた靴に入ってきたので一度座って雪をかきだす。
その時だ。
私の意識に戦慄が走った。

ない。
ないのだ。
さっきまで私の右ポケットにあったはずの
ケータイがない。

え、、。
落としたのか、俺。。
ケータイを?
アラスカの国立公園で、、!?

とにかく戻ろう。10分前にはケータイで地図を見たじゃないか。今戻ればきっと見つけられる。

しかしここは山の中。
来た道を戻るという事はほぼ不可能だった。
まっすぐ歩いているつもりでも、実際はクネクネとヨレながら人は歩いている。
しかも周りの景色もずっと木々があるだけで見分けがつかない。
私は方角まで分からなくなってしまった。
無くしたと気づいた最初の場所にももう戻れない。
方位磁石も、GPSも、メールも、電話も何もかもない。。。

そう、私は遭難したのである。

次回、どうするタロコジ。
お楽しみに🐻

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