シナモンあれこれ スリランカでは・・・
私の住む地域は、今日は雨と雪。
こういう深々と寒い日は、単純に温めるよりもスパイスやハーブの力を借りてみると、より効果を実感できるかも。
日本人にとってもポピュラーなスパイス「シナモン」。
パウダーやスティックなどでお店に並び、カレーをスパイスから作る人だけでなく、お菓子やパンを作る人、飲み物に入れる人、いろんな方が手に取っている(・・・はず!?)
毛細血管を広げてくれるなどの検証結果があげられていて、温め効果も嬉しいスパイスのひとつ。私もよく紅茶に入れたり、アレンジティーに使う好きなスパイス。
しかし、実はひとくちにシナモンと言っても、種類が色々あるって知っているだろうか?アジアの諸地域で栽培されていて細かい分類はあるものの、一般的に出回るシナモンを大きく分けると「カシア(シナ肉桂)」と「セイロンシナモン」に分けられる。
クスノキ科ニッケイ属。同じ仲間ではあるが、実は結構特徴に違いがある。
【カシアシナモン】
見た目は、中国産が主流で手で折るのはなかなか力が要るくらい、分厚い一枚の木の皮のかたまりと言う感じ。(上部の写真左のものがカシア)
一言でいうと、見た目通りの強い香りで刺激的!
甘さもあるが、特にスーッとしたスパイシーな香りが特徴で、辛味もある。
スパイシーさを活かして、隠し味に加えると時間が経っても奥深い香りが残ってエスニック気分満載になる♪
対して、
【セイロンシナモン】
名前の通り、スリランカ産が主流で、薄い木の皮が何枚も詰まった葉巻のような断面をしている。(上部写真右)
一言で言えば、甘さが引き立つ優しい香り。
あまりの甘い香りに、一口そのままかじってみると、じんわりとした甘味とミントガムを食べたときのような爽快感を感じられる。
香りの揮発性が高いので、短時間の調理(スリランカではあまり煮込み過ぎないカレーが多い)やお茶へのブレンドに向いていると思う。
そして繊細な味わいを活かしたお菓子も甘さ控えめで作ることができて美味しい。
「どちらもお好みと使いみち次第」
ではあるけれど、注意点も。
これからよく登場する桜の花にも含まれている、天然の防腐剤「クマリン」。
実はシナモンにも含まれているのだが、特に「カシア」には含有量が多いそうだ。だから、たまに説明書きに「食べ過ぎると肝機能に影響がある場合があります」のような文言を見かけるのだな。
でも、通常隠し味として使用する分には大量に摂取しないと思うので、今まで私は経験的に具合がわるくなったことはないけれど、心配な方は、セイロンシナモンを選んでみるのもいいかもしれない。
「目的と道理をわきまえていれば、どんなものも薬にならないものはないのである」というチャラカサンヒターの一文が、大隈重信の声で私の頭に響いたのであーる。
ちなみにスリランカでは、セイロンシナモンのオイルを傷み止めや冷え症に有効として販売されていた。スリランカ人の知人は歯が痛いときとかにいいんだよね~と言って、私の横で買っていた。クローブじゃないんだね、と私は内心思いながら、冷え症対策に同じオイルを購入したっけな。
シナモンを手に取ったなら・・・
シナモンを購入するとき、巻きの断面を見たり、産地をチェックしてみて、楽しく使い分けしていただけたらいいなと思って書いてみた。