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わたしが紅茶教室を始めた理由③

前回の記事で、わたしが紅茶教室を始めた理由の②「紅茶の美味しさをシェアしたいから」について書きました。

美味しさは、それぞれの人の記憶によるところが大きいという話。

だとしたら、私が美味しい紅茶と感じたとき、私の脳裏には何があるのかな~。と、ふと振り返ってみました。

美味しさは香り?

「紅茶が好き」とはっきり自覚したのは社会人になってからですが、思い返せばもっと昔、幼稚園か小学生くらいの時に、すでに紅茶の記憶がありました。

まだ小さい子どもには、コーヒー牛乳や紅茶といった飲み物は飲んではいけないものとされた時代(今も?)。母が紅茶をあまり好きではないこともあったかもしれませんが、我が家では母が飲むコーヒーにたっぷりの牛乳を追加してたまに分けてもらうことはあっても紅茶が出てきたことはありませんでした。

そんなある日、親戚でとある問題が起きて、家族そろって祖父の家に遊びに行った帰りに、親戚の家に立ち寄ることになり、私たちもついていくことになりました。大人の事情で、真夜中まで大人会議は続き、子どもながらに別の部屋で静かにねむい眼をこすりながら待っていました。

そこに叔母が、なにやら温かくて甘い飲み物を細長いコップに入れて出してくれたのが、私の初めての紅茶体験でした。コーヒー牛乳に似ているけれど、少し赤みがかった淡い茶色の飲み物。口に入れたら「コーヒー牛乳と全然違う!!わーなんだろうこの美味しい飲み物は・・・。」と感激し即飲み干したのでした。小さい頃は甘い飲み物などをあまり与えない両親のもとで育ったので、叔母はたまにはと、しょんぼり待っている姉と私に、真夜中に禁断の飲み物を出してくれたのかもしれません。

甘あまの缶ジュースみたいなミルクティー(本当に缶とか紙パックだったと思う)。

私の初めての紅茶の記憶は、ジュースみたいなのに、香りがおしゃれな飲み物。香りは美味しさだと子どもながらに感じたのでしょうか。それとも、人を甘やかしてくれる密やかな大人の味に感じたのでしょうか。

いまでこそ、普段はお砂糖なしの紅茶を中心に楽しんでいますが、あの体験が「紅茶の香り」を好きになるスイッチだったのかな、と今では思ったりします。

(ちなみに話はそれますが、紅茶にとって、お砂糖は甘味付けの役割の他にも香りを引き出す効果があります。なので、場合によっては少しお砂糖を加えて飲み比べるのも楽しいです。)

それから紅茶のことなど気にも留めずにペットボトルのウーロン茶ばかり飲む学生時代を過ごしていたのですが、社会人となって、すっかり忘れていた紅茶の香りを再び思い出すことになったのでした。

次回は、私が本格的に紅茶を好きになっていく会社員時代の「美味しさ」について書きたいと思います。



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