10月4日

10月4日



2拠点生活を数年間してみて想った事。



都会暮らしに嫌気がさして、田舎でのんびりと暮らしてみたい。だけど田舎に完全に移住してしまうのは不安だから、まずは都会と田舎の2拠点生活をしてみよう。それはとてもグッドアイデアだと思います。しかしそこには様々な問題もあります。同じことを考えている方に、私の経験をシェア致します。



私は10年程前から、2拠点生活に興味があり、実際に5年程前にそれを実行に移しました。今思えば、非常に未熟な部分があったし、だけどそれは「やってみなければ分からない事」だったのだと思います。



私の「1拠点目」は都会と言っても住宅街にありました。マンションや共同住宅ではなく、小さな戸建です。そして「2拠点目」を自然の豊かなある村に決めました。移動距離は車で一日。この距離の取り方も、非常に重要だと思いました。



もし皆さんが2拠点生活をこれから始めようとされるならば、片方(おそらく都会にあるであろう「1拠点目」)をマンションか共同住宅にしてしまう事をおすすめします。少なくとも、庭や周囲に草木の生えない物件であること。もしくはその管理を他人に任せてしまえる物件であること。



というのは、私は2拠点生活をしている間、ずっと草刈と除雪の事を考えているからです。そしてそれ相応の時間を割いて、それらを片付けているのです。のんびりとくつろぐ時間が1拠点時に比べて、明らかに少なくなります。草刈や除雪というのは居住者個人の問題ではなく、周囲の治安を左右します。おおげさなようですが、実際にやってみると分かります。戻ってきたら、自分の家のまわりだけ雑草が生い茂っていて、風で飛んできた物が散乱していたり、雪の場合は家が壊れたり、落雪が道を塞いだり。



「ブロークンウィンドウ理論」と言う現象があります。日本語では「割窓理論」。一軒、荒れた家が地区にあると、その家を中心に、地域の治安が悪くなるというものです。その家の住人は地域住民から冷たい目で見られるようになるでしょう。逆の立場なら私だってやはり、迷惑な人が近隣に居るのは困る。そういう環境はどんな意味でもハッピーではないのです。「放置」されている家屋や物が、自然に飲み込まれて行くのは想像以上に速いです。



「くつろぐ時間が減る」のは、のんびりした暮らしを求めて田舎へ出た目的に対して、まったく逆の結果がそこにある訳です。都会暮らしでカフェにでも行っている方が、ゆっくり出来ると思います。家周辺のメンテナンスにかかる時間を減らす事、これが一つポイントかと思います。



「1拠点目と2拠点目の移動距離は、どこまでが許容範囲か」という問題は人それぞれかもしれませんが、「片道3時間以内」というのを目安にすると良いかもしれません。勿論それより近いに越したことはありません。簡単な話、「一日の間に往復しても家事や趣味の時間が取れる事」が必須であると思います。



私の場合はこれを越えていました。それによって非常に苦労している部分がありました。週末と平日というように区切って生活場所を分ける場合など、例え一日の間に往復する可能性が低くても、それは変わらないように思います。片方の家を離れる時の、気持ちのハードルが非常に上がるのです。忘れ物がないかを確認している時の嫌な不安感。パッキングをする時間を気にするようになります。そしてたくさんのものを2つずつ買うようになります。



移動時間が短ければ、先に書いた草刈などの家のメンテナンスをする時間はさほど気にならないかもしれません。このどちらかを守っていれば、「ゆっくりする時間が無い」事態にはなりにくいのかもしれませんが、両方であればなおよし。その2点が今回の私の提案です。以上。


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