9月26日
9月26日
気温が下がると体調が良くなる傾向にあったが、今日はあまり快調とは言えなかった。むしろ不調である。息が苦しくなるような混乱が、一日の中で数回あった。
私は、鬱症状が発症してから、夏の間特に、眠る事が出来なかった。眠る事が出来ないという経験はこれまでにもあったが、これほど長い期間、それが続いたのは初めてだと思う。眠れないのに眠ろうとする行為が非常に辛く、眠れないのなら起きていれば良いと割り切ってから、少し精神的には楽になった。
眠れないというのは、覚醒している、頭が冴えわたっている、という状態ではない。眠気は常にある。何も考える事が出来ないくらい強い眠気がある。なのに、眠ろうとしても睡眠は一向に訪れない。
始めのうちは不思議な感覚だった。目を閉じて、横になって、呼吸をする。健康だった時は、10分、早ければ5分以内に眠る事が出来た。私は本来そういう体質だった。すぐに眠れる体質である事を誇りに思ってさえいた。寝つきが悪い時期を経験した事が無いわけではなかったが、そういう時には意識を「呼吸」に集中して、頭の中を極力からっぽにしていれば、いつの間にか眠れたし、そういう方法論を自分の中に持っていた。
今回、診断が下りた後も、そういった手法を何度となく試した。それでも2時間、3時間と覚醒が続いていると、やがて根気が続かなくなった。足先が非常に熱く火照っていて不快感が強い。横になっていると特にその感覚に悩まされる。これは私特有の症状なのかどうかは、調べていないので分からない。一睡も出来ず朝を迎えた事も、何度かあった。明るくなったら眠れるのか、というとそんな事も無い。
何日も眠れていなければ当然、日中も眠い。何をやってもミスをし、非常に時間がかかる。物を落としたり、何かに脚を躓いたり、を繰り返す。酷い時には全くものが握れなくなる。文字がほとんど読めなくなる。長い文章や細かい文字を見ると、頭が締め付けられるように苦しくなり、涙が溢れて来る。認知機能が激しく低下している、と自分で分かる。「思い出す」という作業も非常に苦しくなる。何時に起きたのか、何を食べたのか、そんな事さえ他人に伝える事が出来なくなる。午前中の事が全く思い出せなかったり、自分の居る場所が分からなくなったり、そういった経験もした。不眠が続くと脳機能はそこまで低下する。
食器が洗えない、風呂に入れない、洗濯が出来ない、これが続くと自分はこのまま廃人になるのではないかという恐怖が襲ってくる。
幸い、私の場合は一週間程度で比較的体調の戻る日があり、その間に風呂に入って、洗濯をして、水回りを片付けた。僅かでも復調の兆しがあれば、這うように風呂場へ行き、まずはシャワーを浴びた。私が鬱病の方へアドバイス出来る事の一つとして、優先順位はまず、シャワーを浴びる事である。丁寧に身体を洗う必要はない。水道栓をしっかり開けて、全身に水を浴びる事。可能であれば髭を剃る。それだけ出来れば、その後に洗濯をしたり、食器を洗ったり、を続けて出来る事が比較的多い。
文字数が増えたので今日はここまで。