贈りものをおくる日々 1
2022年の年末、6月まで勤めていた前職の忘年会に誘っていただいた。行き先は河口湖近くにあるコテージ。大阪から約6時間かかる。往復12時間。散策をしたり、夜はバーベキューや花火を楽しむ予定になっている。
これは忘年会の話ではない、贈りものをおくる日々の話。
大阪から車を走らせ、京都のコンビニへ立ち寄った。
私はトイレの気配も喉の渇きも感じないので、車で待つことにした。
しばらくするとみんながコーヒーやパンを片手に帰ってきた。その中で一人クリスマスツリーを片手に帰ってくる女の子の姿が見える。
メリーと呼ばれるなんともクリスマスっぽい名前のデザイナーが、コンビニで売れ残っていたのであろう「ちいかわのクリスマスツリー(お菓子入り)」をプレゼントしてくれた。
「おぅありがとうございます」クールに装う。なんでもないギフトはとても嬉しい。しかし、なぜプレゼントしてくれたのかはいまだによく分からない。
星野源さんが日村さんへのバースデーソングで「欲しかった物は物じゃなくてきもちだった」と伝えていたが、なんでもないギフトは喜ばせたいなどのきもちをおくっている。そういうことだと思う。
そんなきもちを受け取り、心の中で喜ぶ私を乗せて車は河口湖へ向けて出発した。
彼女にもなんでもない贈りもので喜んでもらいたい(先にもらっている以上なんでもなくはない)私は車の中で、gifteeというサービスでギフトを探し始めた。しかし何を送っていいのか悩んだ。約2年間、一緒に働き仲も良かったはずだが、ももち(嗣永桃子)が好きなことしか分からない。飲みものや食べもの、お店など何が好きなのかいまいち分からない。
無難にスタバのドリンクチケットがよさげかとも思ったが、より色々選べるであろう「giftee Cafe Box」を助手席から最後部席の彼女へLINEで送った。声かけはしない。
送ったあと、メッセージには😍のアイコンがついていた。喜ばれたのかどうかよく分からないが、きもちは伝わったであろう。そこから贈りものの話はしていない。
そうこうしているうちに、私たちは河口湖のコテージに着き、散策をしたり、夜はバーベキューや花火を楽しんだ。
そしてすべてのコンテンツを終え、往復約12時間ひとりで運転してくれた前職の支社長にも、「giftee Cafe Box」と一緒に感謝のきもちをおくりながら、私は友人が待つ大丸京都へ向かった。