思惟
この先もしふたりで知らないところに行ったって、きっと楽しい。彼からそう言われて本当にうれしかった。
死ぬまで一緒だとくるくる回って言った。
ずっと一緒にいてもずっと変わらず大切にしてくれる。永遠なんてないはずなのに、あるんじゃないかとさえ錯覚してしまう。幸せだと零した彼を見て、私の方が幸せだと思った。私は彼に感謝しないといけない。
心が斜めになる時期がきて、涙が出る。何も不自由ないし、みんな私たちのことを大切にしてくれているだけなのに。私はどのコミュニティでも大切に扱われて重要とされているだけだ。それを嫌がっている訳では無い。思い通りにいかない私がもどかしい。もっときちんと言葉を選べば嫌な気持ちになることなんてなかった。もっとタイミングを見計らえば、私のわがままなんて通さなければ、みんなを巻き込むことなく、もっとちゃんとうまくいったはずなのに。私のせいで全部台無しにした。私のせいだ。この気持ちが抜けなくて、彼に触っている間は安心するからずっとくっついていた。身体を何度も折り重ねて、ずっとそばにいてくれた。
休みの日なのに私と連絡取りたすぎでしょって、心が健康なら言えたのにな。
いつまでも蚊に噛まれる。
夏だ。もう秋なのに。
彼は私のことを愛してるとまで言った。
私じゃなきゃ無理だと。ベタ惚れだと。少しこわくなって、本当に私でいいのか聞いてしまった。
彼はいろんな方法で私に気持ちを伝えてくれている。私は彼に返すつもりはもうない。彼から貰ったものを大切にして、それはそれとして、私は私の気持ちを相手に贈ろう。
彼のことは私が選んだ。
こんなに自分が自分で在れることを、私は当たり前と思わないけど、本当のことを伝えているから、すべて私の本当だと信じてくれているんだ。
私のダメだったところも全部、丸ごと文字通り愛してくれるんだね。
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