膝の痛みについて ケース紹介
今日は膝の痛みでいらした方のケースをご紹介したいと思います
クライアントさんは左膝の痛みで当店に来られました
膝の痛みは家の周りのコンクリートの上をランニングしている時に、だいたい2−3km走ると左膝に痛みが出るとの事でした。痛みは非常に強く、痛みが出たらそれを無視して走り続けることが出来ない程でした
その痛みは走るのやめて歩いて家に帰る時にはまだ感じるが、その日の夕方には改善しており、次の日の朝には全く問題ないとの事でした。他の日常生活では全く痛みもなく、登山愛好家でもあり毎週の様に登山をされています。登山は上りも下りも膝は痛くない様です
コンクリートの上でランニングを始めたのは今年の3月ごろに新型コロナウイルスでリモートワークになり、運動不足解消の為と登山の時に体力をつける為に始めました
「登山は問題ないのに、ランニング時だけ痛い。正直、日常生活も痛くはないけど、違和感がある時もある」とも仰っていました
そこから身体のチェックをさせていただき、
両足での立位では若干の胸椎の後弯(いわゆる猫背の様な形)、左足部の外転(つま先が外に向いている状態)
片足での立位では、右足でも左足でも共に骨盤後傾(横から見ると腰が曲がった様な形)、特に左足で立った時が顕著でした。これに加えて左足部の外転もありました
歩行時も左足部の外転が顕著でした
次にトリートメントテーブルにて仰向けで足首、膝、股関節のチェックをさせて頂きました
足首は左の関節の位置が悪く、背屈という動きの際にうまく関節が曲がっていませんでした。また、ご自身でも認識されていましたが、左足部の内側アーチが低下していました。背屈制限、アーチの低下、それに足裏の筋肉や腱の組織も右に比べて顕著に硬さがありました。これらが複合的に合わさって足部の外転(つま先が外を向く状態)に繋がっているのかもしれません
膝はランニング時に痛みはあるものの、触った感じでは炎症反応や肥厚(組織が厚くなってしまった状態)はありませんでした。ただし、膝の回旋動作では、内旋が制限されていました。内旋という動きは膝が曲がる時に自然に起こる動きですが、このクライアントの方の場合は、足首の関節の位置が悪く、足首が曲がるとすねを外旋(すねが外旋すると膝も外旋します)させようとします。歩行やランニング時に足首が曲がれば、それに続いて膝も曲がろう(内旋も同時に起こります)としますが、足首がすねを外旋させようとするので膝は正常に曲がることが出来ない状態でした
左の膝蓋骨(膝のお皿)の動きはそこまで制限されてはなく、ゴリゴリなどの音などはありませんでした。筋肉は前ももの外側の筋肉に張りが強く、それは股関節の外側まで続いてました
股関節も周辺の筋肉の硬さから関節の動きが制限されていました。動きとしては特に内旋・内転・屈曲という動きが制限されており、片足で立った時に骨盤が後ろに傾いてしまうのはこの動きの制限が強かった為の可能性が高いです
これらチェックを総合すると、膝の痛みの要因は
1 足首の関節の位置が悪く、背屈という動きが出ない
2 1のせいで、膝が正常に曲がらない(屈曲と同時に内旋が起きにくい)
3 股関節も関節の位置が悪く、衝撃をうまく吸収する事が出来にくい
これらのことからランニングの時の負担が左膝に集中してしまい、その時だけ痛みが出た可能性が高いです。登山で出ない理由は、ランニングは完全に片足だけ地面についている時間が長く、一歩一歩の衝撃も強いですが、登山では歩幅も短く、左足の足首や股関節の関節の位置が悪い中でも衝撃は分散されていたのだと思います
このクライアントの方の場合は、足首と股関節の関節の位置の悪さは筋肉の硬さをほぐしながら戻し、膝の内旋動作はこちらが誘導しながらご自身でも動きの感覚を掴んでいただく様にアプローチしました。片足立ちの時の骨盤の後傾も指摘させて頂き、左右のバランスや身体の感覚のチェックも行いました
終了後は足首や股関節はご自身でも変化が感じられるほど改善し、片足立ちでも骨盤の後傾は減少していました。ご自身で出来るストレッチやエクササイズ、硬い筋肉のほぐし方も指導させて頂きました
ただご本人にもお伝えしましたが、関節の位置や筋肉の硬さはほっておくとまた直ぐ戻ってしまい、それを防ぐには日頃からのご自身でのストレッチやケアが重要となってきます
また、今回はトリートメントを行い関節の位置などは改善しましたが、ランニングの時の痛みが消えるか、予防出来るかは実際にランニングをしてみないとわかりません。ランニングは誰でも出来るものですが、それでも技術や筋力、身体の使い方も必要になってきます。ですので、ランニングの時の痛みを防ぐには身体の動かし方やトレーンング(重い負荷を使うものだけでなく、身体のコントロールなども含む)なども重要になってくるとお伝えしました
当店では、痛みの改善だけでなく、それをどう防ぐか、という事も重視しております。そしてその痛みの改善のトリートメントが、予防のトレーニングに繋がる様なセッションを提供しております
お身体でお悩みのある方は是非、当店まで一度お越しください
Calant
代表:爪川 慶彦
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