個人出版②楽天koboライティングライフ 編
取次を通さない、完全に自力での個人出版にもチャレンジしたので、ノウハウとまでは行きませんが、覚書も書いておこうと思います。
本来なら個人での出版とともに、取次をお願いしているため、取次会社について書くべきですが、まだ支払いが始まったところですので、先に配信ストアについて書きます。
基本的に私が配信した順番に書きますが、その前に、GooglePlayからの出版を考えている方は、先に申請をお勧めします。
GooglePlayだけが前もっての申請を必要とし、多少時間がかかります。
ひと月かかったという話もありますが、私は半月程でした。
GooglePlayブックスパートナーというウェブサイトから申請します。
まず、私の印象ではもっとも出版が楽だったのが楽天koboライティングライフ です。
こちらは、楽天koboへ配信してくれます。
楽天は「楽天マンガ」というストアも持っていますが、こちらは完全に違うシステムのストアです。
私は楽天マンガへは、現在のところ取次の電書バトさんにお願いして配信して頂いています。
楽天koboは、もともとカナダの会社であったものを、楽天が子会社化したようですね。
そのため、世界配信してくれる割りにと言ってはなんですが、日本から日本語で出版するのがとても楽です。
Apple Books、GooglePlay、Kindleも日本語で出版できますが、内容がもっとグローバル対応な感じになっており、ローマ字で記入を求められるところがあったり、一発でうまくいかなかったのです。
その意味で、初めて個人出版される方には、楽天ライティングライフ はオススメのストアです。
楽天koboへは、上記の理由のほかに、既に楽天会員であったため、馴染みもありました。
もちろん、初めて出版される方は楽天koboライティングライフ へ登録するところからスタートとなります。
私の取次を通さない個人出版本には、Sun&Moon Labelというレーベル名をつけました。
小学館だとフラワーコミックスとかジュディコミックスというレーベル名がつきますよね。
あれです。
私は最終的に新作の「Arriba!」を世界的に販売したい!という目標を持っていたので、世界中で分かってもらいやすい英単語、そして、当時ハマっていたパワーストーンのサンストーン、ムーンストーンから取りました。
この二つの石を合わせて持っていると、陰陽でバランスが良いという話を読んだので、ぴったりだと思いました。
私も、いつも持ち歩いているバッグにつけています(^ ^)
私は楽天KOBOから、このSun&Moon Label版を販売スタートしました。
私の場合、取次へ提出するため、既にjpegの完全なデータを作ってありましたから、あとは出版手続きのみです。
先に書いたように、楽天は日本語で全てできますので、登録も戸惑うことはないと思います。
サポートへちょっと質問のメールもしたのですが、返信も早く、わかりやすかったです。
また、楽天は審査に出してから予約開始するまで、つまり無事販売モードに入るまでに、2度メールをくれます。
これで「ああ、審査してくれているんだな」とわかりますし、予約開始もわかるので安心です。
Apple Booksなどは通知がないので、その辺も親切ですね。
ただし、この審査も適当とは言いませんが後追いで「ちょっと問題がありました!」との通知が来ることもあります。
実は私ももらいましたので、その件については後で書きます。
他のサイトもまずファイル形式はEPUBだと思いますが、楽天でもEPUB変換したファイルを用意します。
私はデジタルをやる漫画家ならほとんどが持っている「クリップスタジオペイントEX」を使いました。
ファイル形式の詳細なことは正直わからないのですが、漫画の場合EPUB3とかいう形式でないといけないなどのご意見を多く見ます。
そうであれば、クリスタはちゃんとEPUB3ファイルを作ってくれているのだと思います。
問題なく受け付けてくれましたし、特筆すべきは、ファイル名も日本語でOKでした。
Apple Booksはこれ、アルファベットに直さないとエラーでした。
作中のファイルは、表紙のカラーファイルから本文のグレースケールファイル、裏表紙のカラーまで、全て同じサイズに揃え、EXの編集機能を使ってまとめてEPUB出力します。
190p前後となると、私の新しいiMacでもかなり重い作業となり、しばらく待ちました。
この編集ファイルを作って管理できる機能は便利なのですが、普段から120枚の原稿を動かしている私には、なかなか気を使う重さではあります。
ページ指定して分割出力もできるようで、原稿仕事の時はそれが良いと思います。
しかし、単行本のための出力では、おそらく分割は難しいと思います。
一度パソコンを落として調子を回復してからなど、万全の体調の時に出力することをお勧めします。
Macの場合、EPUBに変換すると、ダブルクリックでそのまま閲覧できます。
実は180pくらいで先へ進めなくなり、慌てて別のアプリを落として最後まで再生できることを確認しました。
今も原因はわかっていませんが、後でもう少しちゃんと調べる方法を見つけました。
AppleのBOOKで読む場合、ちゃんと目次を開いて確認することができます。
目次が最後のページまであればファイルもできていますし、目次から指定して読むこともできます。
EPUBファイルを確認するのは(ページも多いし)大変ですが、全て自分の責任なので頑張って確認します。
とにかく、楽天では専用のアプリの提供をしていないので、自力でファイルを確認したあと、アップロードします。
また、表紙だけは拡大表示に耐えられる大き目のデータを別にアップしなくてはいけません。
全て、登録時に指示があるので従います。
他の多くもそうだと思いますが、楽天KOBOでも予約販売ができます。
私は、審査もあるだろうから、と2、3日後という感じで発売日を決定し、予約を受けました。 見張っていたわけではないですが、割とすぐサイトにも絵が出ました。
審査は早く、24時間以内という印象です。
先ほどちゃんとメールが来るからわかりやすいと書きましたが、「審査が終わりました」というメールではなくて、「予約が始まりました。まだアップロードしていない最終データがある場合は発売日までにあげて下さい」というようなメールになります。
当日にも、発売のメールが来ました。
心配だったので、発売日に自分でも購入して確認しましたが、無事閲覧できました。
楽天KOBOへの出版について説明しているサイトで、KOBOへ出版したら本人は購入できないとありましたが、サポートの返事では可能ということでした。
ただ、ここまでは最初の1冊目「探偵は恋をしない」の話で、続いて次の「獣の年頃」をアップした後、実は一度「出版できません」メールを頂いてしまったのです…!
しかも、遡って1冊目の方まで纏めてのストップでした。
これが前段で書いた、あとから物言いがついたケースです。
かなりどきりとしましたが、1冊目の時、実は審査が短いので、「一体何を審査したんだろう、大丈夫かな?」と思っていました。
案の定、すでに紙版が出ていたことが引っかかったようです。
(電子本も出ていた「獣の年頃」については、小学館はきちんと電子本販売をストップしてくれていました)
紙といっても、廃刊になって久しく、古本しかなかったのですが。
メールにも、紙版が出ているようなので、規定により一度確認したい、こちらへご返信ください、のようなことが書かれていました。
よく考えれば、作中にどう考えても著作者が正当に出版したとしか思えない詳細な説明を書いていますし、あちらも疑ってはいなかったと思います。
私も落ち着いて詳細な説明をし、必要であれば小学館、もしくは私の担当編集者へご連絡いただければと返信しました。
また、作中に一箇所引っかかったところがあり、そこは削除訂正したデータを再アップすることを求められました。
それは、ツイッターのアドレスです。「誘導」に当たるそうです。
ほかにも直したいことがあったので、急ぎ訂正してアップロードしました。
ツイッターは、一つくらい作者(出版者)に連絡がつく場所がないと困るんじゃないかな?と思って記入したものでした。
商業誌だと、奥付に出版社名、住所、連絡先と明記してあるじゃないですか。
個人出版の場合、正直住所とかは困るのですが、SNSくらいなら…という私の親切心(笑)だったのですが、裏目に出てしまいました。
取次会社にも「一部ストアはダメかもしれない」と伝えられていたのですが、基本的にこれはNGみたいですね。
取次が肩代わりしてくれなくてもダメなのかー。
これは、ストアが代わってくれると解釈していいようですね。
単に「作者のブログやツイッターをチェックしてくださいね」と書く分には許されるようです。
楽天koboライティングライフでは、データは100MBまでということになっています。
私の場合、モノクロ分はおよそ50〜60MBだとわかっていたので、見本のカラー表紙もそれなりの大きさで出しました。(が、後で確認したら80〜90MBくらいになっていて、ギリギリでした ジュディコミックスはページ数が多いせいもあると思います)
サイズは、取次会社のサイズに合わせており、これは一応公にできない可能性があるので書けないのですが、メジャー雑誌のコミックスでももっと小さなサイズでアップされているらしいです。例えばクリスタEXで出力しようとするとモデルサイズがいくつか出てきますが、その真ん中より少し上、くらいでしょうか。
とにかく、楽天kooライティングライフ での出版は比較的簡単で、すぐに発売となりホッとしました。
ダッシュボードにはほぼリアルタイムで売り上げが反映され、こちらの気持ちも上がります。
古い本を見つけ、ご購入頂き、本当に感謝しています。
取次会社を通すと、個人では難しい多くのストアへ配信を頼めますし、取次会社によっては表紙デザイン、写植入れ、原稿のデータ化など様々な作業を肩代わりしてくれるところもあります。
一方、個人で出版する場合は、何かトラブルがあった時に一人で対応しなくてはいけないリスクに対して、もっとも高くロイヤリティが頂けること、一冊一冊の売り上げがほぼ即日わかるので、購入してくださった読者の方への感謝の気持ちがリアルに湧いてくる、という喜びがあります。
直接お伝えできないのが残念ですが…(^_^;)
特に新作は原稿料が出ず、印税だけでペイしていかなくては次が出ないので、少しでもロイヤリティを多く頂く道は残しておきたいのが本音です。
因みに楽天koboライティングライフの場合、価格299円以上10万円のタイトルはロイヤリティ70%、それ以下は45%です。
手続きの時、設定価格は税込で記入することになります。
支払いは1万円を超えた段階で行なわれるらしく、ここは少額でも支払われるGooglePlay、Kindleなどより条件が悪いと言えます。
取次会社の場合は、その機動力で多くの方の目に留まることに期待し、非常に頼りにしているところです。
どこで購入しても良い、という方は、是非Sun&Moon Labelをお選びいただけたらと思いますし、お気に入りのストアがある方、また読み放題で気軽に読んでみたいという方は取次配信の方でお手に取って頂ければ幸いです。
どちらも、作者には大変ありがたいことです。
Sun&Moon Labelの電子本(タイトルとして紙版は全て廃刊となっております)は、私のアメブロ https://ameblo.jp/hnatsuko/ でもしばしばリンクを貼っていますので、そちらからご購入いただけます。
アフェリエイトなので規定の報酬が支払われ、私ももっともありがたいルートです。
是非、ご利用下さい。
Sun&Moon Labelデビュー、こうして始まりました。
以降、Apple Books、Kindle、GooglePlayの出版記録も順次アップして行きたいと思っていますので、またご覧いただけたら嬉しいです。
お読み頂き、ありがとうございました。
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