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美術に全く興味のない人が、読んでくれるようなおもしろい美術の記事ってなんだろう

①ペルソナを設定
②悩みと、解決したい疑問を書きだす

読んでもらいたい記事を書く時、まずはこの2点を考えてみましょうと、ある講座で習いました。
私はもともと美術のことで記事を書いてみたいと思っていたので、美術の内容でこの2点を考えてみましたが、
悩みかあ・・・と、それこそ悩んでしまいました。

そもそも美術に対して
どんなことを人は望んでいるんだろう?
いや、はたして望んでいることなどあるのか?

前からずっと気になっていたこのことについて、今回は書いてみたいと思います。


まずターゲットがかなり二極に分かれると思うのです。
美術好きの人と全く興味のない人と。
私は一体どちらに向けて書きたいと思っているのか?

ペルソナの設定、まずはそこから。
いままで特に、誰に対して書いてみようとか
考えたことがなかったんです。

自分が書きたいこと、
こんな面白い美術をみつけましたということを書いていました。
でも、読んでくださる方にとっても、何か有益な情報であればいいなあということは感じていました。

どんなところに気をつけて書いたら
美術に興味のない方にもお得感を感じてもらえるでしょうか。


数学好きの次男に、どんなことがきっかけで数学が好きになったのか以前聞いてみた時、彼はこう答えました。

生活の中に数学がたくさん活かされているんだなあって思ったんだよ。それから数学が面白くなった。

数学を最も苦手とする私は耳を疑いました。
時々そんなことをいう人がいるけれど、
次男、君もそんなことを思ったことがあったのか!

こんなこと実生活に関係ないし!と考えることで、数学の苦手意識を正当化してきた私。だからせめて次男には「計算が面白くて!」とか「美しい世界だなあと思って」とか私の想像の範囲内での答えを期待していたのですが、私が1番数学に対して抱いていた気持ちの真逆に魅力を感じていたとは!

美術のギャップもこれかあ!
美術に対して、こんなこと知ってなんになるの?っていうことをあてはめてみたら、たしかにそう思うのも無理はない!と、なんだかしっくりくるような気がしてきました。

たしかに美術は実生活において、数学以上になにか役に立っているとは感じられない世界だと思えます。

でも、
例えば旅行に行き、美しいと感じる風景に出会う。
みたことのない、幻想的な自然の姿に驚く。
そんな時、まだまだ自分の知らない感動があることのワクワクした好奇心が気持ちを高め、生きる元気を得ることがあるのではないでしょうか。

例えば家を建てるという時、自分の憧れを総動員して最高のものをつくりたいと思いあらゆる資料を調べはじめるとこんな世界があるのか!とか、ここまで考えるべきだった!などという先人の莫大な量のアイデアにいきつき、自分の世界が広がっていくことがあるかと思います。

それらはすべて美術に関係している事ではないかと思うのです。
なくてもいいけどあったらより豊かになるもの。
気づかなかったらそのままなんだけど、気づいたら気づいてよかったなあと感動する世界。
気づいたら、実生活に彩りを添える
もの。

上記は、かなり消極的に美術との関わりについて定義してみたので
その程度のことかと言われればそうともいえます。
絶対必要ってわけではないのです。
でも、私にとってはそのことがすごく重要でした。

本当は、生きる上でもっと大事なことがあるのだけれど
それより先にこっちを優先してきたんだなあと、改めて自分の思考を確認しました。
そして、ちょっと話が逸れるかもしれないのですが、夫は私とは全く違うタイプで、ぶつかることも多かったのですが、改めて考えてみましたら、まさに生きる上で大事な事を最優先している人であり、だからこそ私が生きてこれたと、なんだか私たちの組み合わせに合点がいったというか、同時に深く感謝の気持ちが湧いてきました。

夫も我が家の子どもたちも美術にはあまり興味がなく、
興味がないどころか、
私の美術好きがよくわからないと言われることもよくあるのですが、
でも、みんな音楽は大好き
あらゆる音楽に感動し、音楽の中に自分の好きな世界を常に探しています。暇さえあれば音楽を楽しみ、片時も離れず関わっているように思います。

でも、それはどうしてかといったら
好きな音楽を聴くことで得られる高揚感というか
気持ちの良さや感動を得て自分をより高めたいという希望がそうさせるのではないでしょうか。

私も音楽は大好きなので
美術もそれと同じだよ!と思いました。
そして美術のよりいいところは
「間違い」というものがないというところだと思っています。

音楽は譜面通りに弾かないと間違いになるし
勉強などは答えのあるものが多いかと思います。

でも、美術には
評価はあれど、正しさという一つだけの基準というものはないのではないかなと思っているのです。様々な表現があり、それを見る側も様々な解釈が可能で、好きでも嫌いでもよく、人によって影響はまちまちで、それでいいのだという世界。
学びもあり気づきもあり、
作品を作った人の生き方や人生観もみせてくれます。

一つの料理を盛る器が違うだけで
その料理の見栄えや美味しさを変え
友人との会話も弾ませるという経験をしたことがある方も多いのではないかと思うのですが、そんなふうに、美術があることで気持ちの変化を楽しめ、コミュニケーションに変化をもたらすこともあります。
またそれが効果的がどうかの評価も様々あり、どれが正しいということはありません。

あいまいな世界だからこそ
「その人らしさ」に価値をみいだし、延いては「生きやすさ」につなげていける世界ではないかと思えるのです。


私の好きな言葉に
Sense of wanderという言葉があります。
実際の英語の意味として、どう訳すことが正しいのかは定かではありませんが、
レイチェル・カーソルという人の著作のタイトルになっていることから、その内容の影響もあってか「自然の中にある深い感動」という意味で使われていることが多く見受けられ、私もそのように認識し、好きな言葉とさせていただいています。

自然は
人間にとって脅威にもなり、敵わない世界と感じていますが、また同時に知的にも美的にも教えられることが多い素晴らしい世界です。

そして、自然はその存在自体が「正」であり間違いなどありません。

また、古来から人は自然からたくさんのインスピレーションを得てきましたが、自然に存在するパワーは美術のそれと似ているように思えます。

人間はこの中で生かされ、
人間もまた本来自然なのだ!


この気づきがまさにwanderとしてこの言葉のスキにつながり、
美術にもつながり、
私の喜びにつながっています。


自然の一部であり自然の中にいる皆さんは、
本当はもうすでに美術に関わっていらっしゃるのです。

けれど、更にもっと気づいてくださったら
もともとご興味のある世界を
より広げていくために役立つこともあるかもしれません。


今年はそんなことを意識しながらお伝えしていけたらいいなあと思っています。
美術に興味のない方も読んでいただけるような noteを目指して書いていきたいと考えています。

私自身も、よりもっと美術の楽しみ方を考えていきたいと思っています。

2024年の今年もまた読んでいただけますよう、
どうぞよろしくお願いいたします!



※中川貴雄さんのステキな作品を使わせていただきました。ありがとうございました。

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