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東京23区に73か所!すべての富士塚をめぐる挑戦 [2]音羽富士(護国寺)

富士塚は神社にあることが多いのですが、
それは、明治政府による「神社合祀令」や「神仏分離令」で、富士塚が移動させられたり神様寄りになったりしたからだといわれています。

今日登拝させていただきました音羽富士は
護国寺というお寺に残された富士塚で、
珍しい富士塚といえるかもしれません。

護国寺正門

前回のnoteの[1]十条富士にて、コメントをくださりました森田一樹さんが時々登拝されていると教えてくださった音羽富士に行ってみたいなあ!と思い、早速今回の地に選ばせていただきました!

森田一樹さんコメントありがとうございます!



護国寺は、東京都文京区音羽というところにあり、
東京メトロの有楽町線「護国寺駅」を出てすぐ目の前にあります。

すぐちかくに出版社の講談社があります



護国寺にはいろんな門があり、地図でみたら正門から入ったところには皇族墓地というものがあるのですね。


しらべてみましたら、豊島岡皇族墓地というのは皇族専用の墓地ということで、始まりは明治天皇の第一皇子が死産した際ここを使用したとのこと。明治天皇の最初のお子さんは死産だったのかということも初めて知りびっくりしました。またこのことは護国寺から帰ってからこの地図で知ったため、現地では全くわからず、知らないままで近くを歩いてきてしまったことは残念でした。

また、この地図からマンション名に護国寺富士見坂という名前がついているものがあり、この道が富士見坂だったことをしりました。


江戸時代、1月3日に日本橋から富士山を拝むことを「初富士」と呼んでいたそうです。また、富士見坂と名の付く場所は今もいろんなところに残っていますが、富士山が良く見えた場所はたくさんあったということなんですね。

富士といえば葛飾北斎とばかりに前回の十条富士でご紹介しましたが、歌川広重も負けていません。
今回日本橋を富士ということで調べたら広重の作品がたくさんあることを知りました。作品のすばらしさはもちろんですが、富士山がこんなふうにみえていたのかということを想像したら、ぞくっとするというか、
みてみたかったなあという気持ちがあふれました。

富士山って気持ちを高揚させてくれる本当に魅力的な山です。

江戸の町も美しいですよね。行ってみたい!
富士山毎日ながめても飽きないだろうなあ!


「富士塚ゆる散歩」有坂容子著より

古地図でこういうものもあるのか!とびっくりしました。
このあたりから富士山がみえるっていうのがのっている地図!
ほしい~!


さてさて本日の富士塚、音羽富士に話をもどします



正門と同じ並びに護国寺仁王門があります

こちらは護国寺仁王門
仁王様が堂々といらっしゃる!
仁王門の目の前には音羽通りがずうっと続き、向こうまでみえる


仁王門から入って、目の前に階段がありますが、そのすぐ横に富士塚はありました。でもまずは護国寺の本堂にお参りを、と上にいきます。

植木の手入れもすばらしく、美しい!
階段の下にあった蓮のデザインの手洗い水盤
徳川綱吉のお母さんからの贈り物とのこと。

お?おみくじがいろいろあります。
漢字蒔絵おみくじ?わあ、なんだかすてき。
あ、他より少し高い。(笑)

お恥ずかしいのですが、私はいままで絵巻と蒔絵を同じものと考えていました。先日そのことをご指摘くださり、はじめてそうなんだ!と気づいた次第でして・・・ご指摘くださった方には本当に感謝しております。ありがとうございました。

蒔絵とはなにか、と調べてみましたところ、「漆で絵や文様を描き、漆が固まらないうちに蒔絵粉(金、銀などの金属粉)を蒔いて表面に付着させ装飾を行う、漆工芸の代表的な加飾技法のひとつ」(Wikipediaより)とのことで、以前尾形光琳のことをnoteに書いた時、下図の写真も載せていました。

改めて美しさに感動。

このおみくじは何が蒔絵なのかな?と思いましたが、個人的には蒔絵マイブームの私。蒔絵おみくじに興味津々です!

やってみよう!


あ、漢字一文字をくださるのですね!
「笑」かあ!
「笑は心の太陽です。つらい時でも笑っていると、自然に心が晴れる。明るい笑顔は人を招き、心が上向く。下を向いて歩むより、上を向いて歩む方がいろんなものが見つかるはずです。』

いいのをひきました!

しかも勝負のところ
『負ける』

そのあとがまたいいのです!

『味方を増やせ』

なんだかじんわり力が湧いてきて、まさに笑顔になってしまいました。




午前中の9時くらいで真夏でも少し涼しく、せみがわしゃわしゃないています。ほどんどだれもいなくてすがすがしく、さわやかな風がここちよいです。

さあお目当ての富士塚です。

ここは文政14年につくられ、江戸時代のまま現存している


きれいに整備されています。
「富士道」と刻まれた石が出迎えてくれます。


橋がありますね。
これは違う世界に行く、という儀礼なのだとか。神妙な面持ちで渡ります。

お辞儀をしながら鳥居をくぐると石碑がたくさんならんでいるのがみえます。一合目とかかれた石も。

洞窟があります

これは「胎内」といわれるもので、富士塚によく見られます。本物の富士山には噴火の時に溶岩が木を飲み込んでできた穴としてあるもので、ここを潜り抜ければ生まれ変わることができるという修行の場として存在しているそうです。

音羽富士にあるものは中に石がはめこんであります。
よーくみると絵が掘られていて、「木花咲耶姫(このはなさくやひめ)」という富士山の神様が描かれています。

木花咲耶姫

古事記では「木花之佐久夜毘売」と表記されていますが、「木花(桜の花)が咲いた様子に感動する」さまを表しているといいます。
安産や子育ての神様という面もあれば、火山である富士山を鎮めるという説もあり、富士山本宮朝間大社では「水神」として祀られているようです。


石碑がたくさん!
この石には天狗がかかれています。

天狗は大天狗と小天狗と種類があるようなのですが、この石碑のものはよーくみると嘴があり、手には刃物を持っているため小天狗のようです。

ボク石をくっつけて。

本物の富士山に似せるために、本物の富士山からボク石を運んできてまわりにはりつけています。でも音羽富士は頂上近くのところだけで、土のままという場所も多く見られました。


さて、烏帽子岩をさがします・・・

7合目の石碑とその横あたりにみつけました!

ありましたありました。まえもって事前にしらべていっていたのですぐみつけられてよかったです!

ちょっとわかりにくかったー



わあい
頂上につきましたあ!

祠があって、ここが奥宮になるんですね。
あ、さっき下にいたのは小天狗で、大きい天狗は
頂上にいた!
富士講の碑がいろいろありました

富士塚はアイテムを探し出すのも楽しい!
でも知識として知っていないと、みても全然きづかないものもあるので、いろいろもっと勉強しなくちゃなあと思っています。

下山したときに「これなに?」とおそるおそる鳥居をくぐってきた姉妹がいました。
「これ登れるの?」
高校生ぐらいのお姉さんと小学生の妹さんのようです。

「登れますよ」と思わず声をかけてしまいました。
富士山のミニチュアで、頂上でおまいりもできますよ。と思わず説明。急におばさんに話しかけられびっくりしつつも「登れるんですかあ・・ありがとうございます」と言っていただき、二人が挑戦しだした後姿を嬉しくみつめてしまいました。

こんなこともこれからまたあろうかと考え、富士塚巡りには少しちゃんとした身なりでこようと思ったのでした。


今日も楽しかったなあ!



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