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狐の行列 王子に狐が大集合
2023年大晦日に、4年ぶりに行われた「狐の行列」という行事をみてまいりました。
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ちょうど当日の朝刊でこの行事のことが載っていて、まえから行ってみたいと思っていたので「今日行こう!」と決めました。
これは歌川広重の浮世絵の言い伝えをもとに、装束稲荷のまわりの商店街で、数十年前から続けてきた大晦日の行事です。
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1856年の江戸時代に描かれました。
その昔、毎年大晦日になるとこの榎の元に狐が集まり
装束を整えて王子稲荷にお参りしたという言い伝えから、「装束榎」と呼ばれています。右手の奥に見える小高い森は狐がお参りする王子稲荷の森であろうか。集まってくる多数の狐と狐火、天にそびえる寒々とした大榎、晴れた夜空には無数の星がきらめき、大変幻想的な絵です。後日、稲荷が勧請され、それが現在の装束稲荷です。
さてその装束稲荷のふだんの景色はこちらです
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2023年大晦日の23時半に行ってみたところ・・・
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もうすごい人出であります。
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こんな設備ができていました。
まるで狐につままれたような気になります。
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まだ24時前です。
行列は23時59分にカウントダウンがあり、24時出発します。カウントダウンを一緒にやりたい人は神社の前に残っていましたが、ほとんどの人が行列を見ようと大通りで待ち構えていました。
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こんな風景になるなんて!
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さあそろそろ出発です。提灯の明かりだけがみえています。
行列は先頭に王子狐ばやしがあり横笛とたいこのおとがしてきます。その後ろに狐の大面、先達、神狐、会長、世話役、大行燈、彫狐、宝珠の稚児と御駕籠衆、こぎつね衆、正装きつね衆、大のぼり、王子狐ばやし、大行燈という順に続きます。総勢108名の構成です。そのあとに一般参加者の108名が続きます。
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実は行列は全くみえませんでした。残念です。
なのでここでこの写真をとったら、この行列が向かうゴールである王子稲荷神社に先回りして向かいました
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この門は普段は稲荷幼稚園の門になっています。奥の方に鳥居がみえます
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ここでかがり火のパチパチという火がはぜる音をききながら待つこと40分くらいだったでしょうか。一行がやってきました。鳥居をくぐり階段をのぼりお参りに行かれる様子を見守りました。
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このお参りの場所の昼間の様子をご紹介します
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現在の社殿は文政5年に11代将軍家斎が新規再建されたものです。昭和20年の空襲で本殿などは焼失し、社殿は創建時のまま残りました。本殿は再建されています。
この神社は落語「王子の狐」の舞台としても知られ、狐の石像が多数あります。凧市・狐の行列などの行事が行われ、江戸時代から現代まで多くの参拝者で賑わっている。
天正十九年(1591)、家康は「王子神社」と当社に朱印地200石を寄進。徳川将軍家より朱印地を賜った神社は数多くあれど、200石以上賜った神社は5社しかなく、いずれも徳川将軍家縁の神社であり江戸を代表する大社のみである。「王子神社」と共に両社で崇敬を集め、江戸時代には徳川将軍家の祈願所となった。
朱塗りの社殿の奥には、持ち上げて願い事をする「願掛けの石」や、実際に狐がすんでいたという「お穴さま」がある。
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2月午の日(10時00分-18時00分)、凧市が開催されます。境内に凧屋が店を出し、神社から授与される「火防けの凧守」を求める人々で賑わいます。
最初にご紹介した新聞を読みますと、
この伝承行事は1993年に始まったのだといいます。事前申し込みで一般参加も受け付けているが、狐顔メークは「王子風」に統一しているのだとか。顔全体を白く塗り、額から鼻にかけてオレンジの線を描き狐の毛並みを再現。目尻の2本線と3本ひげで狐らしくなります。2020年末からのコロナウイルスで3年連続中止になり今回は4年ぶりとあってますますの賑わいだったのではないでしょうか。
また王子には、2024年一万円の顔となる渋沢栄一が晩年住まいとした家があり、区役所などにその垂れ幕などがかかっています。
どの町にもあるこういった文化継承を大事にしながら古きも新しきも息づく活気ある街づくりはいいなあと感じています。