我が子に贈ってよかったと思うもの①
我が家のこどもたちは、長男が22歳次男と長女が双子で17歳になりました。
彼らの誕生日やクリスマスのプレゼントには、基本本人の希望したものをプレゼントしていましたが、それとは別に、親から贈りたいというものも選んで贈っていました。
いまでもこれは贈ってよかったなあと思えるものをご紹介させてください。
今回はキュブロというおもちゃです
いわゆるビー玉転がしです。
一辺が5㎝の積み木を組み合わせてビー玉の道を作ります。
1985年にスイスでうまれました。
たしか東京の表参道にあるクレヨンハウスというお店でこのおもちゃに初めて出会ったかとおもいます。長男のクリスマスプレゼントにと見に行きました。お値段がなかなかにするので(でも今回ネットでみたらこんなには高くなかったんじゃないかとびっくりしました。)迷いましたが、自由に遊べるようにディスプレイされていたものを長男が夢中になって遊んでいたので、買っても損はないのではないかと思えました。
そしてなにより、これは「考えることが楽しくなるおもちゃ」ではないだろうかと思い、買うことにしたのです。
下図は基本的なつくり方です。
ただの立方体の積み木と溝が見える積み木、穴が中で坂道になっている積み木、ただの穴の積み木とがあり、ビー玉の動きを想像しながら組み合わせていきます。
わたしが小学生の頃、図工の時間に作ったビー玉転がしはもちろんこんな複雑なものではありませんでしたが、作るのがすごく面白かったのを覚えています。あのピタゴラスイッチもビー玉転がしの延長線上にあるように思うのですが、入り口と出口をきめてビー玉を転がすということがなぜこんなにもトキメキ、楽しいのでしょう。
不思議です。
キュブロは、ビー玉がトンネル内の中をとおるので、普通のビー玉転がしより、ビー玉が見えない分、転がっていく様を想像しながら作る難しさと、出来た時の達成感とで、ぞくぞくするような楽しさがあるかもしれません。
我が家では、こどもたちはこのおもちゃに夢中でした。
わたし自身はパズル系が大の苦手で、キュブロは全くやったことがありませんでした。やりたいとも思わなかったのですが、夢中でやっている彼らをみるのが楽しかったし、できたものをみせてもらうのがとてもワクワクしたのです。
こどもたちは、何時間でも組み合わせ、あれこれ考え没頭してつくっていました。
どんなふうに出来上がってビー玉がでてくるのかYou Tubeをご覧ください。
これは、最初の出発の穴がいろいろあり、それぞれ違うコースを転がる複雑な作品です。
スタンダードセットでも一度に2通りくらいは作れますが、より複雑にしたいとなると買い足して増やしていくことになります。
どうでしょうか。面白そうですか?
本当の面白さというのは「考えること」かもしれない。
そんなことを思うようになったのはこどもが産まれてからのことでした。
自分のこども時代、そんなことは全く考えたこともなく、
考えるという事自体があまりないまま大人になってしまいました。
ぼんやり自分が思ったことを正しいとも正しくないとも考えず、そのままに行動していたのでまわりとの衝突も多かったと今更ながら思います。
なんでうまくいかないことばかりなんだろうとは思っていたのですが、どうしたらいいかわからなかったし、いや、解決策があるかもなんてことすら考えたことがありませんでした。
でも自然の不思議さにワクワクすることは多く、だれもかまってくれなかった、あの多くの時間もそう考えれば悪くなかったかなとも思うのです。
「わからない」ということを知ろうとせず、わからないままにしていました。わからないことはわからないからしかたないとどこかで思っていたようです。
でも本当はもっと考えることが必要でした。
本当に楽しさを知るためにも。
なりたい自分になるためにも。
自分にこどもが産まれて、もともともっていた自然の不思議さへの「知りたい」が目覚めました。
こどもたちに絵本や児童書を読み聞かせていたら私の知りたかったことがたくさんでてきたからです。
こんなふうに決まっていたんだ!やっぱりこれは不思議な事だったんだ!
おもしろいなあ!
キュブロに最初に夢中になったのは長男でしたが、その頃まだ赤ちゃんだった次男のほうが後にパズルやプログラミングが大好きな人になったので
キュブロは今でも次男の「考える楽しい時間」の一つになっています。
子育てにおいて、「考えることは楽しい」と感じる人になってほしいというのはわたしの願いの一つでもありました。
そして今、彼らはわたしなんかよりずっと考える時間をもち、そのことを楽しんで自分の成長につなげてくれているように感じています。
わたしも挑戦してみようかな、キュブロ。