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聴力がコミュニケーションを高める:今日の感動

毎日感動したい。
毎日感動しています。

今日の感動は辻井伸行さんのドキュメントです。


辻井伸行さんは全盲のピアニストです。
生後まもなく眼球が成長しない「小眼球」という障害が判明。
4歳から本格的にピアノを習い始めます。

この動画は
2009年に行われたヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで、辻井さんが優勝した経緯をまとめています。
この時辻井さんは20歳だったそうです。

このコンクールは4年に1度開かれます。
厳しい関門を突破するために、
ソナタ、室内楽、協奏曲を10曲以上弾くことになります。

辻井さんが選ばれたのは以下の曲でした。
〇第一次審査(29人→12人)
・ショパン:12の練習曲 作品10
・ドビュッシー:映像第1集
・リスト:ラ・カンパネラ

〇セミファイナル(12人→6人)
タカーチ弦楽四重奏団との室内楽。60分以内のリサイタル。曲は自由だが、アメリカ人現代作曲家の作品を含むことが条件。
・シューマン:ピアノ五重奏 変ホ長調作品44 第一楽章
・上記同じく第三楽章

〇セミファイナルの二日後のピアノリサイタル
レパートリーがどのくらい豊富かも試される。
人間性も評価の対象。カルテットとの演奏に協調性の資質をみられる。
・ジョン・マスト:即興曲とフーガ
・ベートーヴェン:ピアノソナタ第29番 変ロ長調作品106「ハンマークラヴィーア」

〇ファイナル
オーケストラとの共演。
コンチェルト(協奏曲)はオーケストラとピアノとの絶え間ない対話。
・ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調作品11
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調作品18

〇ピアノリサイタル
・ベートーヴェン:ピアノソナタ第23番 ヘ短調作品57「熱情」
・リスト:ハンガリー狂詩曲第2番
・ショパン:曲名わからず



「あなたは楽譜をみることができないのにどうやって曲を覚えていくのですか」と記者に質問されて、幼い頃からどうやって楽譜を「読んで」きたか辻井さん本人が語る場面があります。
聴力は、もともとの能力もあったかもしれません。しかし、点字や録音を駆使して曲を覚えていくという、その想像を絶する努力と鍛錬にも驚かされます。

それはまさに聴力の鍛錬でした。

オーケストラの指揮者は辻井さんのその能力に大変驚きました。
「ノブユキの聴く能力のレベルがとてもとても高い。聴力の能力が高いことで普通より(目が見えるということより)コミュニケーションを円滑にしているのではないかと思えるくらいだ」


指揮者はおそらく
最初は全盲のピアニストということへの戸惑いと不安があり、
どうやってコミュニケーションをとっていけばいいかと頭を悩ませていたかもしれません。
しかしそんな心配は杞憂に感じたほど、
心配どころか
オーケストラの演奏のレベルを上げるほどの高揚を感じたのではないかと思える一言をつぶやくのです。

「彼との演奏をとても楽しめました」





この動画は
辻井さんの演奏に感動するだけでなく、
ピアニストを目指す世界中の優秀な若者の演奏や言葉もまた心に響きます。

そして、映像を見終わった今も
私の頭の中に
辻井さんが作曲したという「川のささやき」が
何度も繰り返し流れては
優しい気持ちになるのです。

辻井伸行さん、感動をありがとうございます!




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