成長は行きつ戻りつ
できていたことができなくなった?!
どの年齢でも、
“この間までできていたことができなくなる…”
“できることなのに、最近やらなくなった…”
そのような子どもの姿に、“できることなのだからやってほしい!”という焦りや苛立ちでモヤモヤする時期があります。
・この間まで、自分で食べていたのに、「食べさせて」と甘えてくる。
・この間まで、“自分で!”と言っていたのに「やってぇ」と甘えてくる。
・この間まで、自分の言葉で伝えられていたのに、恥ずかしがって言わなくなる。
などなど…
成長は、『行きつ戻りつ』だという事を理解しているだけでも、その焦りや苛立ちを軽減できます。
成長の法則
子どもの成長だけではありません。人間としての成長の法則です。
スポーツの世界では、よく耳にすることです。「最近スランプだ」と。
野球選手で、打てていたはずのバッターが、なんだか打てなくなる。
フィギアスケート選手が、決めていた技が決まらなくなる。
成長のはじめは、感覚で物事を掴んでいきます。
感覚で掴んだことを、周りに認められながら、自信がついてくる。
そのうち少し考えるようになる。
感覚だけではなく、考えながら行動に移すときに、なんだかうまくいかなくなる。
そのタイミングが、『戻りつ』の時です。
スポーツの世界なら『スランプ』の時。
確実な力として身につける、一歩手前の時に“なんだかうまくいかなくなる”時期を通るのです。
伸びきったバネは飛び上がらないけれど、一端グーッと縮めて手を離すと、ピョンと飛び上がる。
なんだか、縮こまっているように見えるその先に、飛躍的成長が待っているのです。
次なるステップに飛躍するために、甘えてみたり、「できないと言って」みたりするのです。
子どもは次なる成長に向けて、グーッと力をため込みます。甘えて受容されて内なるエネルギーをため込みます。
いつまでも、「できない」「やって~」のからに閉じこもってはいません。必ず自分の力で飛躍的成長に向かいます。
その準備段階に、
“できたはず”
“やれるはず”
“もう○歳なんだからこのくらいできるはず”
“何でやらないの”と焦って関わると、
心のバネは縮まずに伸びたまま、成長も先延ばしになります。
内なるエネルギーをため込むことができずに自信をなくしたり、変に反発したり…
褒美的な何かで操るように関わると、そのときは解決しますが、根本的な子どもの力にはならずに、褒美がなければ続かないという次なる悩みを生み出します。
私の娘が2歳半くらいの時に
兄と同じ事を行いたいときは、「もうすぐ3歳だから!私も!」
甘えたいときは「まだ2歳だから…」と上手に使い分けていました(笑)
大きくなりたい気持ちと、まだ小さく甘えていたい気持ちの間を、行ったり来たりしながら大きくなっていきます。
目の前の姿は『戻りつ』だったとしても、内側には必ず“大きくなりたい”という願いがあるのです。
成長を見通して、内側にある見えない願いを信じること。
内側にある見えない願いを信頼され、受け止められることが、子どもの自己肯定感を育んでいきます。
自分の行動なら変えることができる
そうはいっても、ついついイライラしちゃうんです!という方もいるでしょう。
“自分でやりなさい”と言ったところで、機嫌を損ねて、余計に手がかかるだけです。
「本当はできるようになりたいって知っているよ☺️今日は、気が向かないね☺️」
と言葉を添えながら手伝うと、不思議とイライラが解消します。
心を直接変化させるのは難しいので、“言葉にする”という行動を変える。行動なら変えることができる。
行動を変えることで、心をコントロールすることができる。
イライラするのも親心。イライラする自分を否定するのではなく、どうやって『行きつ戻りつ』の『戻りつ』と付き合うか?☺️
子育て探検みたいな気分で、探っていって、
ちょうどいいバランスを見つけたときに、子育てはグッと楽しくなります✨
子育てを楽しむために
『行きつ戻りつ』があるという事を、頭の片隅においていただけるだけでも、嬉しいです。