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ヒント 経営指標のおはなし
病院経営の場面で、患者数という指標はどこの病院でも業績評価の基本的指標として必須の扱いを受けている。患者数が増加していれば、"よくできました!"というプラス評価。患者数が減っていると"がんばりましょう"というマイナス評価。収支に問題があると、原因として取り上げられるのが患者数の減少。入院期間短縮による病床利用率の低下。結果としての述べ患者数の減少。売り上げの減少。という流れが一ふつうの理解のようで
もっとみるヒント 一流の効率化、下品な効率化
公営企業たる公立病院は、公共性と経済性を発揮することが求められている。さらに、その経営活動については、公平性と透明性が求めらる。経営上の権限(責任)は、職制の中に細かく規定されているうえに、厳格な予算によって支出の管理が行われている。この厳重ともいえる権限の制御は、行政権力の行使について恣意性を排除するためのものである。
時として、このような事情を理解していない人から、意思決定が遅いとか、事務が
ヒント グループ化を考える
筆者は、これから来るであろう大きな環境変化に対処する方策としてローカルグループ(LG)の形成を推奨している。そのことに気づいているのは筆者だけではない。全国各地で提唱され、法制化された地域医療連携推進法人の支持者も同じように感じていることだろう。また、共同購入組織(GPO)を提唱する人たちもひょっとすると薄々ながら、その必要性を察知しているのかもしれない。
環境変化に際して、仲間を募り、組織を形
ヒント 良い買い手になろう!
市場での価格競争は、売り手に優勝劣敗の判定を下すことは誰でもが経験しているところである。売り手と買い手はイーブンな関係のようにも思えるが、お金の獲得競争においては、お金をもっているもの、すなわち買い手が強い立場にあると思われている。そして、買い手の動向が売り手の命運を左右することについては、誰もが経験的に知っていることだろう。
買い手の中には、買い手だという理由だけで売り手に対して横柄な態度をと
ヒント 急性期病院における薬価基準の役割
医師の処方箋を必要とする医薬品の販売価格(正確には保険請求の基準価格)は薬価基準として定められている。この薬価は二年ごとに改定(見直し)することになっているのだが、このような期間では近年の医薬品開発のスピードについていけないことが現実のこととなった。そこで国は改定期間を短縮することとするのだか、医療機関のなかにはそれに反対する向きもある。
ある病院団体の代表が反対意見を表明したが、その理由は"薬
ヒント DPCと病院経営
病院経営の専門雑誌をみると、DPC翼賛会かと目を疑ってしまう。あまりに熱狂的なDPC支持なのでかえって訝しい。そこで、少しばかり冷静になってDPCについて考えてみることにした。本稿を読み返してみると、相当に批判的な部分もあるので、DPCをひたすらに信奉する人は読まないほうがいい。反論するのに反感ばかりがつのるは目に見えるからである。
何となくDPCに違和感を覚えている人、DPCを経営にどう役立て
ヒント なぜ、いま、ナレッジ・マネジメントか?
現代の病院経営に欠けている視点を提供してくれるのがナレッジ・マネジメントだからである。
地域医療構想、公的病院のあり方(すなわち、公民協働のあり方)、地方創生との関係、社会保障費の配分問題、医師の偏在問題、医学の進歩への対応などなど、他人まかせ、国まかせ、診療報酬まかせでは到底乗り切れないと思われる問題が目の前に横たわっている。
辣腕や豪腕の病院経営者が登場するとしてもその数はしれている。
か
DIYのヒント これが本当のDPCベンチマーク
二ヶ月に一度のペースで医療経営の勉強会を行なっている。主催はさぬき市民病院で、高松市民病院、坂出市立病院、つるぎ町立半田病院の四つの公立病院がもちまわりで開催している。担当病院が定める一つのテーマについて、それぞれの病院が情報を出し合って検討するというゼミ形式の勉強会である。
勉強会は土曜日の9時から11時までの2時間が設定されており、各病院の経営幹部が集まっている。
さて、そのゼミで、比較的
ヒント わたしの大失敗
わたしの大失敗とは、従業員採用時に彼らの倫理観を確認しなかったことにあります。さらには、日常のなかで倫理について語り合う機会を充分にもたなかったことであります。
事件は、その処理に何年も要すものでした。わたしの体験は、採用の失敗が後々に大きな災いとなる可能性を秘めているということの好例なのかもしれません、採用の大切さは誰しもがわかっていることと思いますが、ときに、想定を超えた事態も起こりうるとい
ヒント 神秘的なものと科学的なもの
大学の大先輩からの勧めで、"日本の弓術"(オイゲン・ヘリゲル)を手にすることとなった。神秘的な何かに心惹かれる著者が日本をその研究フィールドとし、さらには弓道において、日本の神秘主義を経験するという経験談を著したものである。
経験談と紹介したが、経験こそが神秘主義の本質にあるのであるから、理屈をこね回す科学的な態度とは異なるのは当然で、むしろ矛盾のない著作であると思う。"手に触れることのできない
ヒント 激化する競争、強化される統制
地域連携や地域完結といった地域における医療提供体制の方向性が示されて久しい。近年では地域医療連携推進法人制度も整えられ、株式会社でいうところのホールディング・カンパニーのような形態も提唱されるにいたっている。高齢化と医学の進歩による医療費の高騰に歯止めをかけるべく、医療機関機能について分業と集約によって重複を避け、医療費の無駄を省こうというわけである。
しかし、現実はそう簡単なものではない。それ
ヒント シェアの低さは伸びしろの証?
1980年代に考案された市場戦略のツールにPPM(product portfolio method)というものがあります。市場の成長性とシェアとの関係性によって、市場への関わり方を示唆するツールです。
市場の成長性が高いか低いか、そして、自社のシェアが高いか低いかの組み合わせによって対応策が示されるというものです。それぞれの組み合わせには特徴的なネーミングがしてあり、感覚的にも理解しやすいと思い