ミルクボーイ×藤井システム

内海・どうもミルクボーイですー。
よろしくお願いします。
あーありがとうございますーねっ、
今、ピンク色した大根の漬物を頂きましけどね。
こんなんなんぼあってもいいですからね。

駒場・ありがとうございます。
(スーツの内ポケットにしまう)
いやーウチのおかんがね、
昔から将棋が好きでして。

内海・あー将棋ね。今人気ですよね。

駒場・ただ、好きな戦法があったんやけど、
それを忘れたらしいねん。

内海・好きな戦法を忘れた?
どないなっとんねんそれ。
ほんならね、おかんが好きな将棋の戦法を
一緒に考えてあげるから、どんな特徴が
あるのか教えてみてよー。

駒場・角道止める振り飛車やねんけど。

内海・ほうほう。

駒場・あんまり王様は囲わないらしいねん。

内海・…藤井システムやないか。
その特長は完全に藤井システムやん!

駒場・藤井システムな。

内海・すぐ分かったよー!

駒場・いや、分からへんねんな。

内海・何が分からへんの?

駒場・おかんが言うには、その戦法は、
大山将棋の良さが全面に出てるって言うねんな。

内海・うーん、ほな藤井システムとは違うかー。
藤井システムは大山将棋とは違うからね。
大山将棋はね、しっかり王様を囲って
相手が動くのを待ってんねん。
藤井システムはね、居飛車穴熊を
居玉のまま右の桂馬と角の効きで攻め潰す
恐ろしい戦法やねん。
大山永世名人が藤井システムを見たら
将棋盤2度見するよ!?
それぐらい大山将棋と藤井システムは
全然違う将棋やねんから。
ほな藤井システムちゃうやないか。
他にもなんか言うてなかった?

駒場・おかんが言うには、端歩を受けられて
急戦で来られると、ちょっとガッカリする
らしいねん。

内海・藤井システムやないか!
藤井システムはね、居飛車が持久戦にして
もらわな困るねん。
なぜならこっちは藤井システム指す気
満々やねんから。
プロ的には急戦・持久戦どっちがきても
大丈夫でも、アマチュアからしたら
端は無視して角上がって持久戦にして欲しいねん。
だから端歩受けられた時点でガッカリするのよ。
それは藤井システムやって。
他にもなんか言うてなかった?

駒場・おかんが言うには、初心者が真っ先に
覚える戦法らしいねん。

内海・ほな藤井システムちゃうやないか!
藤井システムはね、基本的に居玉で行くねん。
初心者がノーマル四間飛車を指すなら、
居玉は避けて王様を安全に
美濃に囲った方がええねん。
藤井システムはかなり変則的な
ノーマル四間飛車やから、
初心者がいきなりやる戦法ではない。
しかも藤井システムを作った藤井猛先生の
好きな言葉は「居玉は避けよ」やから、
初心者はまだ手を出さん方がええねん。
ほな藤井システムちゃうやないか。
他にもなんか言うてなかった?

駒場・おかんが言うには、順位戦のB級2組で
井上慶太先生が47手で投了したらしいねん。

内海・藤井システムやないか!
藤井システムはね、あの第1号があったから
みんなの記憶に強烈に残ってるねん。
当時は振り飛車は居飛車の左美濃か
穴熊に苦戦していた時代やねん。
その時に藤井猛先生が振り飛車で居玉で
居飛車穴熊をコテンパンにしたから、
振り飛車は息を吹き返してん。
そのきっかけになったのが
藤井システムやねんから。
それは藤井システムやって。
他にもなんか言うてなかった?

駒場・おかんが言うには、
その戦法を1番指しこなしてるのは、
羽生さんらしいねん。

内海・藤井システムやないか!
藤井システムはね、ヘタしたら作り出した
藤井猛先生よりも羽生さんの方が上手く指すねん。
そもそも羽生さんは現役の棋士の中で
ノーマル四間飛車の勝率がトップクラスなのに
そこまで積極的に指さへんねん。
しかも居飛車も当然上手いから、
先手の羽生さんが3手目に6六歩としたら
対局相手は結構しんどいんよ。
矢倉も上手いし四間飛車も上手いし
相振り飛車も下手な訳が無いし、
色々考えないといけないから、
羽生さんが角道止めたら怖いねん。
それは完全に藤井システムやって!

駒場・いや分からへんねんな。

内海・いや分からんことはない、
おかんが好きな戦法は藤井システムで決まりよ。

駒場・でもおかんが言うには、
藤井システムではないらしいねん。

内海・ほな藤井システムちゃうやないか!
先言えよ!オレが羽生さんの3手目
6六歩の話してた時にお前どう思っててん!?

駒場・それはホンマに申し訳ない。

内海・ホンマに分からへんがな。
どうなっとんねんこれ?

駒場・それで、おとんが言うには。

内海・おとん?

駒場・丸山ワクチンちゃうかって?

内海・全然違うやろ!もうええわ!
どうもありがとうございましたー。

~完~

注意・この内容はフィクションです。
実在するものとは関係ありません

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