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自己実現を夢見すぎて妊娠できるタイミングを見誤った人のお話
これは私のことです。
今回は今から10年前、24歳の頃の私に向けて書いています。
子どもは昔からほしかった
どれくらい昔かというと、高校生のときには将来の自分の子どもの名前をすでに考えはじめていました。
子どものいる生活を夢みていました。
子どもができたら、博物館や科学館に一緒に行きたいなーと思っていました。
しかし、その素敵な名前がついた子どもと上野の国立科学博物館に一緒に行くために
妊娠しなきゃいけないのは女である私だった
と気づいたのは30歳をとうに過ぎてからでした。
第三者目線で考えれば、なんともおかしな話です。
そんなに子どもがほしかったのなら、それを中心に人生設計するはずではと考えますよね。
それ以上に何かを目指す期間が長すぎた人生でした。
夢をめざすことは素敵なことだが、「女」であることを忘れてはいけない
22歳で都内の文系大学を卒業し、せっかくの新卒切符を利用することなく、そのままデザインの学校に通っていました。
23歳で無事にデザイナーになり、表参道で勤務しました。
24歳で、生物と関わる仕事がしたいと理系大学に進学希望。デザイン業界から足を洗いました。大学受験生に再び戻り、受験勉強をする日々。
27歳、奏功せず大学進学は断念。医療系専門職の資格を取るために4年制の専門学校に通いはじめました。後の31歳で資格取得し、病院勤務開始。
これが私の20代です。このどこのシーンでも妊娠について真剣に考えたことはありません。
多くの若者は、将来の筋道を考えるとき、まず自分は何の仕事をしようかと考えます。
働くということは生活資金を稼ぐことです。何よりもまず、そこを固めていかなければなりません。
『やりたいことは特にない。ただ安定して稼げればそれでいい』という考えなら、私のような状態に陥る可能性は低いでしょう。
やりたいこと、なりたい状態、夢を叶えることが「仕事を通じて達成される」場合、人生はたちまちドラマティックな舞台に様変わりします。
人生の時間の大半を費やす仕事は使命を感じてやりたいものを選びたい。
なにしろ、人は一回しか生きられない。
そんな信念を何よりも優先して20代を生きたため、「妊娠する女である私」をいつでも置いてけぼりにしていました。
その結果、結婚するのも32歳のときで晩婚気味。世の中はキャリア形成のために晩婚・高齢出産する方が多いですが、私の場合は夢を追いすぎたことによります。
ターニングポイントがあるとしたら、大学再受験を選んだ24歳の私です。
この頃、私の実家の家族も応援してくれていました。
「結婚しないのか」「子どもは産まないのか」
などど言う存在はおらず、妊娠する女である私を意識せずにそのまま突き進みました。
夫と出会ったのも24歳です。
この夫には当時から「子どもがほしい」と言われていましたが、自己実現に必死だった私にはどこ吹く風です。
だからと言ってプロポーズされるわけでもなかったので、無視しました。
それでも私はこの人生を気に入っている
私の周りの友人はほとんどが大卒で、仕事をバリバリやるタイプです。
友人たちは私とは違い、キャリアを築くことに精を出したため30歳付近になるまで独身でした。
その結果、周りに子どもがいる同世代がいないので、そろそろ自分も妊娠を考えなくては…と考えることなく、妊娠と私の距離は遠いままでした。
今、過去に戻って妊活を早くから始めたいかというと、それはないです。
妊娠するということはどうしても、仕事上の時が止まってしまうタイミングが年単位で訪れます。うまくはいかなかった部分もありますが、右往左往できた20代を私はとても気に入っています。
ただ一つ過去の自分に、特に24歳の自分にメッセージを送るとしたら、
「その道に進んでもいいけど、いつか子どもがほしいのなら、妊娠しなきゃいけないのはあなただから、そのこともたまには思い出してね」
と教えてあげたいです。そう言われても当時の私にはピンと来ない可能性が高いですが。
社会での女性の活躍やそもそもの自己実現の啓蒙が進んできて、女性も仕事を通して人生を謳歌させる機会が増えましたよね。
その影響もあってか、日本の出生数の低下が止まりません。
子どもがほしいとわずかでも思うのなら、人生のどこで妊娠すればそれでもあなたの夢を妨げないかという観点を当たり前のようにもつことが今後の日本の課題となりそうです。
仕事も妊娠もどちらも犠牲にしたくないし、どちらも叶えたい。
欲張りですが、女性も働き、かつ子どもも増える…日本の未来にとってもGDPが増えることは本望だと思います。だからこそ、早く不妊治療を保険適用にしてくれと強く思います。