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ラグビーワールドカップ イングランド南アフリカに負ける。

早朝4時から始まるイングランド対南アフリカ戦の実況中継を観るために、前日の9時から寝た。

歳を取ると、ダメなのは、長時間寝れないということにあるが、この日もそうだった。

少し目が覚め、よ〜く寝たという感覚もあったので、起きてみて、時間を確認すると、何と日付けが変わったばかりだった。

この冴えてしまった頭では、寝付くことはできないのでソファに移動して、眠たくなるはずの難しい本を読んでいた。そして、眠たくなれば、本を閉じて、ソファで横たわったまま寝るつもりでいた。

ところが、いつもなら、必ず眠たくなるのに、4時には起きなければならないという縛りがあるせいなのか、中々眠気が襲ってこない。それどころか、内容が分かるようになって、ますます冴えてくるではないか。

ようやく眠くなったなぁと思ったときは、すでに4時近くになっていた。

どうしても、試合が観たいので、眠気をはらって、テレビを観ることにした。

イングランドは、予選で日本に勝ったチームであるので、気持ちはイングランドを応援しつつ、南アフリカというチームが好きなだけに、試合が進展するたびに、どちらを応援しようかと気持ちが揺れ動いていた。

試合自体は、どちらもハイパントが多いは、ミスは多いしと、まるで、息子が高校時代に行っていたラグビーのようなレベルの低い試合を見ているような錯覚に陥るほどの退屈な試合であった。

前半は、どちらもトライなしのペナルティゴールによる得点のみで、12対6でイングランドが勝っていた。

後半すぐに、イングランドがドロップゴールを決めて15対6となったので、この流れなら、イングランドが勝利するのではという雰囲気が漂っていた。

ところが、後半29分になって南アフリカが初めてトライを決めて、15対13となった時点から、一気に風向きが変わってきた。

残り10分を、イングランドが反則なしに耐えることができれば、勝利となるのだが、そうは、問屋がおろさなかった。

後半34分にイングランドは反則を犯してしまい、南アフリカにペナルティゴールを決められ、15対16と逆転された。

それでも、残り3分あるから、イングランドが得意のドロップゴールを決めれば、再逆転もあるという緊張感の中でイングランドは攻撃していたが、ノックオンしてしまい、ノーサイドとなった。

イングランドのキック作戦が功を奏し、南アフリカもミスが続出していて、完全にイングランドが試合を支配していたのに、結果的には、1点差で負けた。

なんだろうね、この差は。これが、実力の差というものなんだろうか。

勝利にこだわりすぎて、キックだけに頼るのは、ダメなんだろうな。ラグビーは、トライに挑戦するのが、原点ではないのだろうか。

イングランドはトライに挑戦するより、確実で安全なペナルティゴールを選びすぎた結果、最後にはペナルティゴールで逆転されたという皮肉な結果になった。

決勝は、ニュージーランド対南アフリカと最大に面白い争いとなる。一方、3位決定戦は、イングランド対アルゼンチンで、両チーム共に、予選で日本と戦ったチームとなった。

日本が決勝に進出できなかったのも無理はなかったということだ。

大会前に、フィジーと戦って負けたことを悔やんでいたが、フィジーは予選でオーストラリアに勝って決勝に進出するぐらいの実力があったわけだから、悲観することはなかった。

ニュージーランドと南アフリカは、ずばり南半球に位置しており、グローバルサウスという言葉が叫ばれているが、ラクビーもその流れに沿っているということか。

ちなみに、イングランドは、同日に行われたクリケットのワールドカップでも南アフリカに負けたようで、一日に、二つのワールドカップで同じ国に負けたという珍しい国となった。両競技とも、イギリスが発祥の地であり、国技でもあるので、イギリス国民にとっては、屈辱的な日となった。

イギリスは、1910年から1961年まで、南アフリカを植民地として、全域支配していたので、そのしっぺ返しをくらったという形になった。

また、第一次世界大戦中に、イギリスが「三枚舌外交」で、アラブとユダヤの衝突の芽を作り、さらに第二次世界大戦後にはイギリスが国連に委ねて、パレスチナ人が住んでいた土地を、不公平な分割決議した結果、現在にいたるまでパレスチナとイスラエル紛争をもたらしていることの祟なのかと思えてきた。

単なる、ラクビーの試合で、イングランドが負けたということで、ここまで、イギリスの悪態をつくつもりではなかったが、キーボード上での指の流れで、書いてしまった。

そもそも、パレスチナで、歴史的な戦争が行われいる最中に、のうのうと大会が続いていて、それを嬉々として享受していることに、疚しさがあることが一因ではある。


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