「縄文時代」「古代天皇」「ユダヤ人」について
最近、縄文時代や天皇やユダヤ人についての書籍や動画を見ることが多いが、少しひっかかるものがあった。
先日『日本とユダヤの古代史&世界史』を読んでみると、その疑問が少しづつとけてゆく感じとなりました。
東北大学名誉教授の田中英道氏と駿河台予備校で世界史を教えている茂木誠氏との対談本なので、すらっと読むことができた。
2021年に北海道・北東北の縄文遺跡群が世界文化遺産に登録されています。縄文時代といえば、教科書では竪穴式住居や貝塚などの用語を並べただけの表面的な説明だったので、ほとんど興味をもつことはなかった。
ところが、イギリスのセインズベリー日本芸術研究所という機関が、日本の土偶、土器の芸術性を高く評価していたことで、文化遺産への登録がスムーズに行われたと言われています。
それを知り、俄然、縄文時代に興味がわいてきて、前述の本を読むことになったというわけです。
縄文時代は、言語による記録が無いので、評価のしようがないというのが定説ですが、田中氏の場合は、言語がなくても、「形」にある種の「意味」があるという視点から、物や美術作品を評価しています。というのは、田中氏は美術史や美学を専門としていたからです。
美術史の学問の一つに「フォルモロジー」(形態学、形象学)という分野があり、これは、「形」から「意味」をくみとる学問ということなのです。
この視点からすると、みずら(角髪)の髪型の埴輪はユダヤ派ユダヤ教徒のファッションとよく似ている、と田中氏は言うのです。この指摘には、茂木氏も驚いたようです。
現在、新しい事実として、DNA鑑定において日本人のD2遺伝子はユダヤ人に近い、と田中氏は言う。ユダヤ人を含む中東の諸民族はE系統に属していて、このE系統と縄文時代のD2系統の起源をたどると、約7万年前に東アフリカに住んでいた男性に起こった遺伝子の突然変異に行き着き、この変移をYAP遺伝子と称し、日本人とユダヤ人がこれを共有しているのは事実だと言うのです。
「ユダヤ人埴輪」と「DNA」の二つが、日本人とユダヤ人が古代から関わりがある決定的な証拠といえる、というわけです。
ユダヤ人が日本にやってきたという話しは信じられないことではある。古代において日本に来た外国人といえば、中国や朝鮮半島などの東南アジアからと考えるのが普通と思われます。
だが、正倉院に残される西欧のさまざまな宝物のことや、中国大陸の人々は海を渡ろうとしないし、石器時代の遺跡の分布では、朝鮮半島には元々人がいないこと、そして、ユダヤ人には移動しなければならない理由があった、と田中氏は述べます。
ユダヤ人が移動しなければならなかった強い理由として、紀元前13世紀より、各時代ごとに「五つの波」と切り分けて田中氏は解説しています。
縄文から弥生時代にかかる紀元前13世紀以降に、ユダヤ人は初めて日本にやってきて、日本神話に出てくる天照大神といった人々(神)と交流を開始した、と述べる。
「日ユ同祖論」という説があり、これは、日本人とユダヤ人は同じ祖先なのだというものですが、これとは違い、田中氏は、「日ユ同化論」だ、と主張します。
『旧約聖書』に出てくる「出エジプト」と須佐之男命(スサノオ)の一族が出雲に渡来した時期と一致している。『出エジプト記』にはモーセの導きによるユダヤ人たちの「出エジプト」の様子が描かれており、その続編が『民数記』、『申命記』です。エジプトを出て40年さまよっていた時期に将来ユダヤ人たちが各国に離散していくことが書かれていて、このタイミングで日本に来ていることが予想できる、と言う。
荒唐無稽な話しとなってくるが、『古事記』前半の「神話」と後半の「歴史」を分けて考えないことが大事だ、と述べる。
ユダヤ人たちは、「出エジプト」のみならず、「アッシリア捕囚(紀元前722年)、「バビロン捕囚」(紀元前582年)、「第一次・第二次ユダヤ戦争」(135年)と何度も、荒涼とした世界に放り出されている。
厳密にいえば、イスラエルのカナンの地でさえも、故郷とはいえず、カナンという場所は神が決めた土地というだけでもある。だからユダヤ人たちは、最初から戻る場所がないのです。
「モーセの墓」という場所が能登にある、と田中氏は言う。何と怪しげなことを言うのだろうと思うが、田中氏は”何かがある”と見ているようです。
今年の初頭に大地震があり、さらに大水害もあったが、政府がまったく援助しようとしないことと関連するのか?と妄想した。
古代天皇のことですが、初代の神武天皇から第10代の崇神天皇までと続き、第2代の綏靖天皇から第九代開花天皇までの8代の天皇は、系譜と生没だけ記録され具体的な事績が記されていないので、「欠史の八代」の時代と呼ばれている。この記録が無い理由について、そして神武天皇と崇神天皇が同一であるという説について説明しています。
その他、不思議な話しの連続ですが、こうしたことには、目が離せないタイプなので、面白く読めました。
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