セックスでつなぎ止められた話
映画「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」を観た。
尊厳死を扱った映画で、主な登場人物は次の3人だ。
マーサ(女性)。元戦場ジャーナリスト、癌で余命数ヶ月
イングリッド(女性):作家。マーサの古い友人
デミアン(男性):マーサとイングリッド両方の元恋人
あらすじやレビューは他の記事をみてもらうとして、ここでは僕の印象に残ったことを書く。
会話の中に「セックス」に関する話題が何度も出てくる。
マーサが「戦場ではセックスが心の安定をもたらす」と言ったり、デミアンが「若い頃は、セックス無しで一日を終えると、不完全な気持ちがした」と言ったり。
そして、イングリッドはセックスという語を耳にしても嫌な顔ひとつせず、会話を続ける。
ここで僕は思った、
なぜ脚本家は、尊厳死がテーマの物語に、セックスの話題を何度も出したのだろう?登場人物たちには、別の話題を語らせることもできたと思うが。
うーむ。
脚本の真意はわからない。けれど確実に言えることがある。
この物語は刺激や起伏が少なく、わりと簡単に観客の集中が切れてしまうと思う。でも「セックス」という語が出てくると集中が回復するのだ。そう「セックス」という後には集中をつなぎとめる力があるのだ
ま、他の観客が俺と同じように感じたと証明することはできないけれど、概ね間違っていないとは思う。
どうだろか。