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【SilverFast】 モノクロフィルムのスキャン設定と比較

私はモノクロフィルムを自宅で自家現像していますが、暗室がないのでプリントまではできず、代わりにスキャナーでデジタル化して楽しんでいます。スキャナーは EPSON の GT-X820 という機種を使っていて、スキャンソフトは付属品ではなく、SilverFast SE 9 を使っています。

SilverFast の画面

SilverFast にはスキャンに関する様々な設定項目があり、好みに調整することができます。Lightroom と似た感じです。
モノクロの場合は色調整がないので、カラーよりも項目は少なくなりますが、それでも設定によって大きく写真の印象が変化します。

今回は ILFORD HP5 Plus のフィルムで Rolleiflex で撮った写真を例にとり、スキャン設定によってどのように結果が変わるか比較します。

スキャンの設定項目

SilverFast で一番重要なのは NegaFix という設定項目です。ここでフィルムの銘柄を選択することで、そのフィルムに応じた適切な調整がなされます。
Kodak や ILFORD などの主要なフィルムは一通りプリセットが用意されていますが、一部用意されていないフィルムもあり、そのときは似た特性のフィルムを選ぶことになります。

ILFORD HP5 Plus はプリセットが用意されているので、それを選んで終わりかと思いきや、ISO の選択肢がなぜか「400」と「400 6×6」の二つあります。
簡単に調べてみましたが、「400 6×6」が何を意味しているのかはわかりませんでした(ご存じの方いらっしゃったら教えてください)。仕方がないので、今回は両方のパターンでスキャンしてみます。

また、ベンダーとタイプをそれぞれ Other にすると、Monochrome というプリセットが選べます。これも詳細は不明ですが、プリセットがないフィルム用だと思われます。今回はこれも試してみます。

NegaFix 以外の重要な設定項目としてトーンカーブがあります。Lightroom のトーンカーブと同じように、明るさやコントラストを調節できます。


スキャン結果の比較

1枚目

まず始めに、プリセットを「HP5 Plus」、ISO を「400」に設定してスキャンしました。中間トーンやコントラストの補正は0です。

2枚目

次に、プリセットは「HP5 Plus」のまま、ISO を「400 6×6」に設定してスキャンしました。
先ほどよりもコントラストが強くなり、バンパーの金属の質感がよく出ています。

3枚目

次はプリセットを「Monochrome」にしてスキャンしました。
コントラストが低くマットな質感です。ネガを直接透かしてみたときの印象に近いかもしれません。

4枚目

プリセットは「Monochrome」のまま、コントラストを20に上げました。
1枚目のスキャン(プリセット:HP5 Plus 400)に近い仕上がりとなりました。

5枚目

さらにコントラストを40に上げました。ここまでやっても、上げすぎという感じはしません。

結論

5枚のスキャン結果を比較した結果、NegaFix によって印象が大きく変わることがわかりました。
NegaFix をきちんと使用フィルムに合わせた1枚目と2枚目は、雰囲気は異なるものの、どちらも良好な結果となりました。

一方で、NegaFix を Monochrome とした3枚目はコントラストが低く、眠たい印象となってしまいました。これは HP5 Plus のコントラストが低い特性がそのまま反映された結果かもしれません。
4枚目と5枚目ではコントラストを強めに設定することで、その眠たさを改善できました。

まとめると、SilverFast でモノクロフィルムをスキャンするときは、NegaFix を使用フィルムに合わせることで良好な結果が得られます。
一方で、NegaFix を Monochrome に設定する場合は、フィルムの特性に合わせてコントラストの調整が必要になるということがわかりました。


補足

車の作例だけでは物足りないかもしれないので、同様に設定を変えてスキャンした猫の作例も紹介します。

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