リハ親子入院日記。
4月末に入院してから10日が経った。
病室もすぐに満室となり、4家族、それぞれニックネームで呼び合いながらわきあいあいと過ごしている。それでも、2歳の動き回る&自我爆発の子とともに、制限ある生活の中、ずぅっと一緒はさすがに心乱れるときがくる。
今日はそのピーク。朝からずっとリハと別の検査もあったりで、夕方までノンストップ。
部屋に戻ったと思えば、同じ部屋の子の遊びものが気になったり、すぐにハイハイで病室を抜け出し廊下に逃走。ベッドサイドの冷蔵庫をあさる。自分の遊びができない。リハのため、1時間でいつも遊びが中断される。いつものパトロールはお預けで、自由に動ける術がない。あてがわれた歩行器は思うように使いこなせない。
あまりにも我慢ばかりの日々なので、パトロールを解禁。その代わりに立位台に立つ。
ということで、
雨が少し降る中、パトロールをする彼は今日の疲れもどこえやら。足取りもらんらん。
どれだけ制限された生活をしていたかと、その足取りの軽さと喜びで実感する。
けれど、私も疲れがピークに。
雨だし夕食もそろそろ。お部屋に帰りたい。でも、水たまりをみつけたり、どんどん進む!
いつもならどんなに汚れたっていいけど、病院だもん。そういうわけにいかないから、私も止めるしかない。
疲れた彼も、最高潮に私に欲求を伝えてくる。
車や人通りの多い通りにやってきて、そろそろ私も大声が出る。
「もう、やめて!危ないから!」の私の声。
「はい、はい」と彼も必死で応えてくる。(でも、やめれない)
もう、お互い必死。
雨も止んできた。でも、お部屋は果てしなく遠い。
なんとか連れ戻すも、手は泥だらけ。泣
みかねたお部屋のみんなが、風呂の時間を代わってくれたり、機嫌が良くなったと思えばすぐに、いやー!となる彼をなだめてくれたり。
昨晩も夜すんなり寝なかったことを知ってるから。できるタイミングで、協力してくれた。なんとかかんとか、21時の消灯のタイミングでベッドに転がすと、あっという間に寝た。
寝る直前に、
なぜか、「かか、ありがとう」という。
ぎゅうっと抱きしめて、今日の、今日までの彼の頑張りと、さっきまでのやさぐれた私の怒りを思った。
そうしたら、もう一度「かか、ありがとう」といって、安心した様子で眠りについた。
狭いベッドで寝る毎日は、私たちを一心同体にさせる。
それぞれの家族をみて、お互いに励みにし合う。
遠い島根で、病と闘う父を思う。
なにもしてあげられないもどかしさを感じながらも、父は父で痛みに耐えながら1日1日を過ごしている姿と、息子の遅々として進まない積み重ねのような日々を重ねると、一緒に頑張ってる気持ちになれた。
父も心配だけれど、私の役割は子どもを守り育てることなのだと、確かな気持ちになる。
遅々として進まないなかでも、驚く成長もある。
食事にでる、パック牛乳を自分でストローを外し、させるようになっていたり、くつ下の着脱も形になりつつある。
服の着脱など、何気ない日常の行動が、足で踏ん張ることにつながり、やがて歩行にもつながっていくなどを学び、なるほど!と感動もしている。
いつもより制限ある生活でもあるけれど、たくさん人に触れる毎日が、彼にとっていいものになるといい。
明日は途中休憩で1泊ほど外泊。
そういえば、自分の入院の時は外泊ができなくて辛かった。それを思えば、楽勝かもしれない。